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最新アルバム『localizer』のオープニングを飾るアッパー・チューン“炭酸少年”の引き叫ぶようなシャウトと疾走するビート、軽やかな鍵盤のサウンドが洪水のようにあふれ出し、planeのステージが幕を開ける。胸の奥で何かが弾けたときの、ハートの揺れを音楽に昇華するplaneのサウンドは誰の耳にもすっと馴染んで、心の中まで染みわたる。メロウな4つ打ちのビートにのせた“discoもう会えない”の、Vo&G菊地が歌う日常すぎる言葉たち。抽象に逃げずに目の前の生活からすくい取られて生まれた歌詞も、知らぬ間に脳裏に焼き付けられるメロディも、planeというバンドが等身大に人生を描くことに徹しているからこその説得力を誇っている。恣意的な過剰なパフォーマンスも、ジョーク交じりのMCもない代わりに、ステージの上で楽器を握り締めた4人がまっすぐ前を見て全身をよじるように音を鳴らす、そのまっすぐさが感動的なほどに眩しかった。(林敦子)