危ない。一応、健全たるロック・ファンが集う健全たるウェブサイトなんで控えますが、でも使いたいな、あの言葉とかあの言葉とか。初めてCDJのステージに立った毛皮のマリーズ。“ノー・フューチャー”で“ノー・ファン”で“トラッシュ”な粗削りなガレージ・ロックンロールをぶちかますこのバンドが MOON STAGEで放ちまくった物騒でインモラルで不良なヴァイヴをクリーンに伝えるのはちょっと骨が折れる。サウンドチェックのときから怪しい雰囲気をぷんぷん漂わせていたが、再びステージに現れた彼らはその佇まいからして、完全に異質。他の多くのアーティストと同じように、一応、ヴォーカルの志磨は「まくはり~!」と客を煽っていたが、しゃがれた声はまったくもって不健康的だから面白い。でも、彼らのロックンロールは危なっかしいが実にリアル。曲によってはストーンズだったりストゥージズだったりクラッシュだったりエルヴィスだったりするが、それこそ彼らが初期衝動のみに動かされてロックンロールしていることの証だ。最高のライヴだった。(内田亮)
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