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前のthe chef cooks meのサウンドチェックも印象的だったが、開演前から曲を演奏するだけじゃなく、あり得ないテンションで叫び踊り客を煽りまくっていたのがthe telephones。いったん裏に戻り恒例のアフロ姿で登場。もうこの時点で会場のヴォルテージはピークに達していたわけだが、the telephonesの4人はさらにそれを上回るエレクトリシティを放出してたから驚きだ。特にキーボードの岡本とヴォーカル/ギターの石毛。意味なく叫んだり踊ったり、とにかく落ち着きかない。マジでおかしい。しかも彼らのパフォーマンスは猥雑で危険な臭いがぷんぷんするのに、それでも人を引き寄せるポップな魅力があるからなおさら不思議。最近、海外ではニュー・エトセントリックと呼ばれるバンドがいくつかいて、彼らのサウンドはそれらを髣髴とさせるものがある(特に似たような狂気と革新性を誇るUKのレイト・オブ・ザ・ピアに近い)。しかし、サウンドは“ニュー”で“エキセントリック”ではあるかもしれないが、彼らは決して奇をてらっているわけではない。なにしろのそのパフォーマンスにはこれまでロックンロールがずっと培ってきた普遍的なソウル、魂が確実に宿っているから。本当にパワフルなライヴだった。(内田亮)