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坂本教授、COUNTDOWN JAPAN09/10に降臨! ピアノの前に静かに腰を下ろすと、おもむろに彼の指が鍵を打ち始める。異国情緒溢れる静謐なナンバー“amore”だ。先のツアーでも披露されていた、元々はヴォーカル入りの作品だが、繊細にアレンジされたピアノ独奏ヴァージョンである。教授の背後のスクリーンには幾何学的なCGが波打つように流れていて、空気を一変させるようなサカモト・ワールドにオーディエンスは呑み込まれてゆく。続いて教授のポップ・クラシック“bibou no aozora”へ。更には演奏開始とともに歓声が沸き立った“behind the mask”と、ヴァラエティ豊かな変幻自在のメロディによるピアノ曲がプレイされてゆく。一曲毎に変化する抽象的なCG映像や、浮かび上がるメッセージの文字も、メロディの感動を増幅させてゆくようだ。また、ステージ上には2台のグランド・ピアノが向き合うように置かれているのだが、無人の一台はMIDIによる同期演奏で、自動で鍵が動いているのもおもしろい。一度聞いたら忘れることのない、どこまでもキャッチーなのに唯一無二 の教授のメロディが、浮かんでは感情の赴くままに変奏され、そしていつしかまた浮かび上がる。なんて自由で、そして揺るぎ無い音楽なんだろう。ラストは“thousand knives”から「戦メリのテーマ」こと“Merry Christmas Mr.Lawrence”へ。豊かで優しいのに、深く悲しみを湛えたあのメロディが、GALAXY STAGEを満たしていった。(小池宏和)