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さあ、この初日GALAXY STAGEのトリを飾るのは、BOOM BOOM SATELLITESだ。登場とともに大きな歓声を浴びる川島(Vo./G.)と中野(Prog./B.)。二人が並んでそれぞれにギターとベースを抱え、耳を劈くようにけたたましい「ブンブン節」といった趣のエフェクトが噛まされた爆音のダンス・ロック・サウンドを放つ。一瞬にしてGALAXY STAGEはフロアの後方まで、ジャンプするオーディエンスで埋め尽くされた熱狂空間と化してしまった。秘密基地のような機材卓の中から中野がノイズにまみれたエレクトロニックなベース音を繰り出し、怒涛のサポート生ドラムは09年にリリースされたシングル曲“BACK ON MY FEET”で大活躍している。そして大音量のノイズとビートを切り裂くようにして届けられる川島のハイトーン・ヴォーカルは、キャリアを重ねるほどに凄みを増してゆくような気がする。いや、そうなのだ。普通、どんなにアグレッシヴなサウンドを鳴らすアクトでも、10年以上もキャリアを重ねれば表現スタイルについて幾らかは逡巡したりするはずなのだ。でもブンブンは、ひたすらに鋭く、激しく、タフになってゆく。こんなバンドいない。彼らはただ彼ら自身にとっての王道を突き進んでいるが、その道はどこまでもブンブン専用レーンなのである。不敵で不穏、そして華々しいダンス・ロック・サウンドによってひたすらオーディエンスの体を揺らしまくった彼らは、更にアンコールにも応え、光の洪水のような照明の中でダイナミックなリフを轟かせる。オーディエンスはまるで今始まったかのように何度も歓声を上げるのだった。(小池宏和)