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「はじまりますよー!ちゃんと餅、買ってきたんですか皆さん!」という澤田の要らぬ気遣いMCによって幕を開けた未完成VS新世界のステージ。“どんてん生活”のシンフォニックな爆走ロック・ナンバーでスタート・ダッシュをかける。安田のグイグイとドライヴするベース、サポート・ドラマー菊池の刻む性急なビートに広がりのあるノイズを放つサポート・ギター海藤も加わり、突っ走りながらもやたら立体感のあるバンド・アンサンブルを届けてくる。“歪むテレキャスター”“どうせ死ぬし”とアップ・テンポなナンバーで、序盤からCOSMO STAGEに集まったオーディエンスの胸に彼らの世界観を刻み付けるようだ。そしてここで安田のMCタイム。「今日は3本ライヴがありまして、このあと下北沢、明け方に高円寺で。ここにいる人……入れるかなあ。でもどうせ来てくれるんでしょ? 皆さんの愛が僕の年越しそばになるんで、よろしくお願いします」と、まさに最後まで師走そのもののスケジュールだ。この後“ケーキをつくる”で一時だけ柔らかいサウンドを披露したが、即座にまた“男の子 女の子”“消えないための方法”と爆走モードに戻ってオーディエンスを沸かせ続ける。そして辿り着いたのは、「皆さんにラヴ・ソングを贈りたいと思います」と澤田が告げて声を震わせながら歌う、静謐さから情感が飛び散るように展開するドラマティックな一曲(※無題)だった。(小池宏和)