入念なサウンドチェックの末に登場したPay money To my Pain。SEもなしにメンバーがオン・ステージしたと思いきや、いきなりK(Vo)のバズーカ砲のようなシャウトが静寂を突き破る! さらにPABLO(G)、T$UYO$HI(B)、ZAX(Dr)によるソリッドなアンサンブルが、フロアを戦慄させる。バッキバキのギターと特大マグニチュード級の重低音ビートがぶつかり合うサウンドは、鋼鉄のように強固。しかし単に破壊的なだけでなく、「美しさ」や「エモーショナル」につながるよう情景豊かなサウンドスケープを広げているところが面白い。フロアも、ストイックなサウンドにただ震撼しているだけでなく、曲そのもののダイナミズムを楽しむかのように拳を振り上げている。1曲目"The answer is not in the TV"から"Out of my hands"まで4曲ノンストップで駆け抜けて「2、3人しかいねえと思ったら結構いるじゃねえか!」と自虐的(?)なMCを飛ばした後は、エモーショナルなメロディと轟音がハリケーンに放り込まれたようなカタルシスを生む"Weight of my pride"へ。そして、さらにタイトなバンド・サウンドがビシビシと放射される"Pictures"へと雪崩れ込むと、フロアは揺れる! 揺れる!! 「俺たちは30分とか40分とかステージに立っている時間だけスターになれます。でもあとは皆とまったく一緒。つうかそんな境界線すらないんだよ」というKのMCのあと、ラストを飾ったのは"Home"。それまでのハードな音塊から一転して柔らかなメロディがCOSMO STAGEを包み込む。まさに破壊の先にある希望が抉じ開けられたような美しい光景が描かれて、鮮烈な30分は幕を閉じた。(齋藤美穂)
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