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 1曲目“Against the pill”でいきなり大爆発! K(Vo)のバズーカ砲のように衝撃的な歌声と、Pablo(G)、T$UYO$HI(B)、ZAX(Dr)による爆音が、我々の鼓膜と全身の皮膚をブルブル震わせたのであった。「楽しんでいってくれよな!」というKの呼びかけで、猛烈なタテノリが始まった2曲目“Unforgettable past”は、破壊的なへヴィさも持ちつつも、胸を締め付けるような情感に満ちていたのが独特だった。前傾姿勢で全身を絞るようにして咆哮するKと、お客さんの掲げた無数の拳がガチンコ勝負を繰り広げた3曲目“The sun, love and myself ”の頃には、すさまじい熱気と興奮が場内を完全に支配していた。
 凶暴なビートがステージにめり込まんばかりだった“Paralyzed ocean”に続き、「自分のお金と魂を使って、よくここまでたどり着いてくれました!」と、Kが心からリスペクトを表明して始まった“The answer is not in the TV”は、人から与えられた情報を鵜呑みにしたりヴァーチャルな世界にどっぷりと漬かるのではなく、自分たちの意思でチケットを購入し、全身全霊で音楽を体感出来る空間=ライヴを求めて会場へやってきたお客さんたちに対しての最高のメッセージ・ソングとなった。
 「お正月に時間があったら実家に帰りなよ。みんなにも帰る家がありますように」というKの言葉を経て、ラスト・チューン“Home”へ。哀愁に満ちたメロディ、心を籠めて奏でられたバンド・サウンド、時には激しく、時には優しく迫ったKの歌が融け合う様が、実に美しかった。(田中大)