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「バクハリャァァア!」と小出がノイジーなギターを掻き鳴らしながら昂ぶったシャウトをしてスタートしたBase Ball Bearのステージである。磐石なボトムの上で華やかなメロディとギター・フレーズが弾ける“CRAZY FOR YOUの季節”が、ベボベ流ダンス・ロック・パーティの幕を切って落とした。続く“SOSOS”では、真紅に照らされたステージ上で小出のエモーショナルなメロディ・ラインが舞い上がる。ダンス・ビートの上で華麗な交錯を聴かせるアレンジの名曲“changes”は、これぞ若者世代のアンセムという印象だ。「なんでこの人こんなに人気あるんだろう、俺ってだめだなとか、スッと自分の前に線を引いちゃうような気持ち悪いことって、あるじゃないですか。でもそういう人にだってBase Ball Bear好きなんだよ、って言われたら、めちゃくちゃ嬉しいじゃないですか。そういう、線をスッと越えるような曲を、書いていきたいと思います」。小出、何を言い出すのかと思ったら、やたら格好いいMCである。思いのたけを吐き出した彼は、“STAND BY ME”“Stairway Generation”と、更にエモーショナルなヴォーカルを披露してゆく。そして大きなシンガロングが沸きあがった“BREEEEZE GIRL”、フレッシュな言葉が踊る“LOVE MATHMATICS”、そしてラストの“祭りのあと”という名曲連打は、まさに個々の人間が引いてしまう「線」を踏み越えてゆくエネルギーに満ち満ちたものだった。(小池宏和)