メンバー本人がサウンド・チェックで演奏する“short hair”の響きに誘われて、観客がどんどんEARTH STAGEへと集まってくる。Base Ball Bear、5年連続のEARTH STAGE登場! スリリングに絡み合う小出祐介&湯浅将平のギターから1曲目“祭りのあと”へ流れ込み、ホットに渦巻くバンド・サウンドと《夏の祭りのあとの やや肌寒い 夜のあとさき》というクールなフレーズの鮮烈なコントラストが、幕張メッセを最高の祝祭空間に塗り替えてみせる。“changes”の清冽な疾走感でさらにフロアをでっかく揺らし、「年末の幕張にお集まりいただいたすべての非リア充の方々に捧げます!」という小出のコールから“ぼくらのfrai awei”へ。大きなステージいっぱいに駆け回ってフロアを煽っていく湯浅のプレイ。タイトなビートで幕張メッセをびりびりと震わせる堀之内大介のドラム。そして、小出&関根史織のポップ&ミステリアスなハーモニーが、オーディエンスの心のブレーキを鮮やかに無効化していく。
「新曲やります!」と披露したのは、2月13日発売のシングル曲“PERFECT BLUE”。目映いほどの爽快感と、力強く鍛え上がったロック・バンドとしての訴求力……その両軸ががっちりと噛み合いながら、Base Ball Bearの表現にさらなる推進力を与えていく。「今やった曲と、僕らの初のベスト・アルバムが来年2月に出ます。翌日バレンタインデーですから、チョコに添えて、どうぞよろしくお願いします!(笑)」と小出。「うちのベースが結婚しまして」の声に沸き上がる拍手の中、「めでたいですよね。どうですか、人妻は?」「新婚旅行どこ行きたいですか?」「人妻としての目標は?」と関根を質問攻めにして、いちいち会場の笑いを誘っていくのもいい。
“青い春.虚無”でギターを置いてフラメンコよろしくダンスしまくる湯浅の姿がフロアを沸かせ、“CRAZY FOR YOUの季節”の加速感が聴く者すべてを高揚感の彼方へと導いていく。最後は“ELECTRIC SUMMER”で大晦日のEARTH STAGEを超高気圧的な開放感のど真ん中に叩き込んでみせる。「幕張! 愛してるぜ!」と全力で絶叫する小出の声が、来るべき2013年を祝福するように熱く響き渡った。(高橋智樹)
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