サウンドチェックの段階から、スコット・マーフィー、リバース・クオモの2人にギター、ベース、ドラム、キーボードがバックに加わったバンド編成のスコット&リバースが現れ、ポテトチップスのCMソングやドラえもん主題歌などを軽く流すサービスでフロアを沸かせている。あぁ、本当に、あのリバース・クオモがCOUNTDOWN JAPANの舞台に立って日本語で歌っている。現実を目の当たりにしてもすぐには混乱なしに飲み込めない光景だ。
最初に演奏されたのは、ウェブサイトでも公開されていた“HOMELY GIRL”。素直なリリック。聞き取りやすい日本語。Aメロ~Bメロ~サビのオーソドックスな曲構成。こうした要素を見る限りは、非の打ちどころがない邦楽である。しかし、紛うことなく「ウィーザー」なパワー・コードの刻み方や、スコットの経験が活かされた平歌での跳ね気味の言葉の乗せ方、そして曲後半に演奏を落ち着かせ英語のサビを震えるような声で囁く箇所のあまりのリバース・クオモ「らしさ」などを聴くと、このユニットが単に外国人が興味本位に邦楽をやってみましたというようなものでは決してなく、それぞれのキャリアの中で通るべくして通った本気の新しい挑戦であることが伝わってくる。スコット「このCOUNTDOWN JAPANでうちらが初めての外国人の出演です。本当に感謝しています!」リバース「すごく感動していますね! ありがとう!」とそれぞれ率直な心情吐露が飛び出しオーディエンスの心を温めた一幕から演奏されたのは、ユニコーン“雪が降る町”のカバー! 凄まじい音圧で奏でられるこのアンセムに、フロアも高々と手を掲げて応える。
ライブ後半には嬉しすぎるサプライズが。リバース「日本語で歌う方が楽しいです!」スコット「でも英語で歌うのも楽しいよね?」リバース「……トキドキ!」というコミカルな掛け合いに続いて、ウィーザーの“Say It Ain’t So”が飛び出したのである。言わずと知れた、ウィーザーのファースト・アルバム収録の大名曲だ。イントロが鳴った瞬間、間奏中、2番をリバースが日本語で歌い始めたとき、あらゆる局面で悲鳴のような大歓声が轟く。間違いなく、ここに国籍も洋楽邦楽も超えた美しい一体感が生まれている。ありがとう、スコット&リバース。来る音源も期待して待つよ、スコット&リバース!(長瀬昇)
Scott & Rivers のCOUNTDOWN JAPANクイックレポートアーカイブ