2012年９月に、自身２作目となるフル・アルバム『MY LITTLE IMPERIAL』をリリースした中田裕二が、２年連続でMOON STAGEに登場！ ２ヶ月強、追加公演含め全国22公演のツアーを経た直後に行われるパフォーマンスである。本人を含め、カトウタロウ（G）、奥野真哉（Key）、白根賢一（Dr）、真船勝博（B）という総勢５名の辣腕バンドによって繰り出されるオープニング・ナンバーは“灰の夢”。力強くも艶かしいアンサンブルの音の合間を縫うように、じっくりと、そして高らかに中田の歌が伝う。「ようこそCOUNTDOWN JAPAN！ 中田裕二です。この年の瀬、こってりとした歌謡曲をお見舞いしちゃうぜ！」と宣言しては、纏わりつくほどファンキーな曲調にアダルトなムードが渦を巻く“UNDO”、更には“FUTEKI”と、ハンド・マイクで全身からエモーションを搾り出すようなアクションを見せながら、「中田裕二の歌謡曲の世界」がMOON STAGEの空気を塗り替えてゆくのだった。
「年の瀬に、こんなロックを聴きに来るなんて、ワルですね～！」とマイペースな笑いを誘いながら感謝の言葉を投げ掛け、続いてはレゲエのリズムと歌謡メロのエキゾチックな衝突が感情表現を増幅させる“ベール”と磐石のパフォーマンスを突き詰めてゆく。そして、アコギを掻き毟りながら華々しく開放的な“虹の階段”とデビュー・アルバムからの楽曲を続けて繰り出すと、あっという間に辿り着いた最終ナンバーは、灼熱のダンス歌謡“DANCE IN FLAMES”だ。オーディエンスはここぞとばかりに手を打ち鳴らし、大きく波打つ。唯一無二の表現世界で人々を確実にエンターテインする、中田裕二ここにありというひとときであった。（小池宏和）
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