「もうちょいしたら本番はじまるんで、最高のCOUNTDOWN JAPAN」にしましょう――リハで渡名喜幸子(Vo・Gt)がフロアに呼び掛けると、歓声が挙がる。大晦日のCOSMO STAGEのトップバッターは、沖縄が生んだガールズ・バンド、FLiP! 真っ赤な照明の中、はじまったのは“CHERRY BOMB“。玉城裕未(Dr・Cho)が豪快なビートを叩けば、宮城佐野香(B・Cho)はぶんぶん頭を振り、長堂祐子(G・Cho)は高々とギターを掲げる。男勝りをこんなにクールに体現できるバンド、なかなかいない。さらに “カザーナ”では、いっせいにオーディエンスがジャンプ! その後はすかさず“ワンダーランド”で、オーディエンスをダイナミックに包み込んでいく。棘と愛を含んだような幸子の声は、生で聴くと物凄い迫力だ。「ずっと出たかったCOUNTDOWN JAPAN、この10年という節目に出れて、一年の最後の日にライヴできていることが、凄く幸せです。目の前にいるみなさんと、音を共有できている今が、凄くありがたいです」、「楽しみで手が震えるのがはじめてだったのね!」と、MCでも幸子は喜びを爆発させる。その感情を詰め込むように“Shut Up, Men!”を響かせる。それはオーディエンスにも届いていき、“ナガイキス”では後ろの方にも手が挙がっていた。そして、あっという間にラストナンバー“カートニアゴ”へ。幸子が「かかってこおおおおい!」と、トドメを刺すように叫ぶ。出し尽すように歌い弾き叩く姿に、フロアも負けじとヒートアップ。その様子に幸子は「サイコー!」と笑顔を見せた。ポップな曲もロックに鳴らすガールズ・バンド……というだけではなく、めちゃめちゃ現場感のあるライヴバンド。その真価を魅せ付けたステージだった。(高橋美穂)
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