いよいよ2012年も終わりに近付いてきた。続いては吉井和哉。彼は去年も大晦日の出演だった。やはり、彼の歌を聴かなければ年は越せない! 暗闇の中に現れ、手を挙げると“CALL ME”がスタート。フロアにマイクを向けて、繋がろうというように♪CALL ME CALL ME～と歌わせる。赤い照明がギラギラと光りだすと、“PHOENIX”へ。♪PHOENIXが～幕張に～と歌詞を変え、気迫溢れる歌を響かせていく様子は、自分に、オーディエンスに、来年も生きていこうと奮い立たせているようだ。続けて「懐かしい昭和歌謡のカヴァーを聴いて下さい」と、ちあきなおみが歌っていたことで知られる“朝日楼(朝日のあたる家)”へ。やはり、こってりと切ない歌は吉井和哉によく似合う。そして、座り込んだまま“シュレッダー”を歌いだす。EARTH STAGEを埋め尽くしたオーディエンスに向けて、時に上擦ってしまうくらい感情を込めて歌う様子に、今の吉井はいろんなものを背負おうとしてるし、背負えるんだろうと思った。その後は、ひたすらアッパーに盛り上げていく。“VS“では、ステージを動き回り、ジャンプし、オーディエンスを巻き込む。“点描のしくみ”では、♪僕らがやっと、ここで出会った!とフロアを力強く指す。“ビルマニア”では、マイクスタンドをグルグル回し、「負けんなよ! 来年も負けんなよ!」と叫ぶ。……なりふり構わず、ここにいる全ての人を引っ張って行こうとするロックスター、吉井和哉の姿がそこに合った。「凄い今日はいつもにも増して楽しいです。個人的で申し訳ないんですが、来年でソロデビュー10周年になります。昔々バンドをやっていて、ロッキング・オンさんにもお世話になっていたんですけど、ようやく10年経って、やっと自分が進むべき道がわかってきたような……遅えよって話ですけど。また年末にお会いできたらなって思っています」と、まるで今日のライヴから感じたことと繋がるような話をして、ラストナンバーである新曲“HEARTS”へ。温かく大きい歌に包まれながら、吉井和哉という特別なアーティストに会えた喜びを再確認せずにはいられなかった。(高橋美穂)
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