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COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート



あと4時間を切った年越しの瞬間に向け、次第にそわそわしたムードが強まってきたMOON STAGEに現れたのは期待の新鋭、さよなら、また今度ね。RO69JACK 2012優勝から今夏のROCK IN JAPAN出演を経て、これがCOUNTDOWN JAPANへの初登場となる。初の全国流通音源『菅原達也菊地椋介佐伯香織渋谷悠』の発売を来年1月16日に控えている、言わばピカピカの新人である状況だが、噂が噂を呼んでいるのか、フロアにはみっちりオーディエンスが集まっている。ライヴのオープニングを飾ったのは“瑠璃色、息白く”。ヴォーカル(+曲によってギター、キーボード)を務める菅原達也の動きの大きい派手なアクションに引っ張られ、フロアもどんどん熱気を帯びていく。そのテンションをそのままに、メロディ、リリック共にキャッチーなサビが印象的な“ギンビス ~頭3歳未満の唄~”を叩きつけていく。やたら早口のMCも含め、とにかく勢いが素晴らしい。

早速、菅原がギターの弦を切ったことで生まれた間を、ベースの佐伯香織がドラム渋谷悠に向って「(曲の入りで)1・2・3って言ってよ!」と注文をつけ(本人は至って真面目なのだろうが)爆笑をさらうなど、チームワークも秀逸。ギター菊地椋介はどうやら落ち着いた突っ込み役のようだ。音楽的な面のみを注視しても、なんとユニークなバンドだろうか。ドシャメシャな演奏に、ヘロヘロなのにひどくキャッチーなメロ。これはまるで躁に入ったペイヴメントか、クールネスと生活感を引き換えたストロークスかといった趣。なんにせよ、日本のシーンにおいてはまさにニュータイプと呼べる存在だと思う。後半には「ニトリで買ったかわいい布団、この布団の中を僕と君2人だけの国にしよう。そういう曲です」という名(迷?)MCから入った“in布団”のじわじわと盛り上がっていく曲展開を受け、フロアもすっかり彼らに見惚れている様子が見受けられた。この曲を終えたあとの菅原の「良い曲でしょ?」という呼びかけにも、フロアからは大きな歓声が返ってくる。ラストナンバー“僕あたしあなた君”まで総じて、来年以降彼らが巻き起こすであろう大きな嵐に向けた期待と興奮が渦巻いた30分間だった。(長瀬昇)