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COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート


続いては、今、見ておきたい、聴いておきたい筆頭に挙げられるであろう男女混合バンド、きのこ帝国。まずは、来年2月リリースの1stフルアルバム『eureka』から“ユーリカ”。的確なビートを刻む西村“コン”(Dr)、内臓にクる低音を響かせる谷口滋昭(B)、その上を自由に舞うようにフレーズを弾くあーちゃん(G)、そして全てを貫くような無垢な美しさを誇る歌声の佐藤(G・Vo)――全てがバラバラなようで、合わさると見事なコラージュを描く。続く“国道スロープ”は、それらが混然一体となったようなギターロック。さらに、“WHIRLPOOL”で、辺り一面を音の洪水で埋め尽くしていく。ここで、ぼそりと佐藤が「ありがとうございます」と一言。MCはたったこれだけ。でも、そんな彼らの真骨頂は、次の“退屈しのぎ”で訪れた。何と、8分を越えるナンバー! 2012年にあったいろいろなことが、彼方に消えていくように感じられるほど、意識を飛ばされた。最後は、“夜が明けたら”を、希望を灯すように熱演して、ステージを降りた。拳を突き上げ、汗を振り撒きながら楽しむだけがフェスじゃない。ただただ、音に身を任せて呆然とする心地よさ――この時間COSMO STAGEにいた人は、それに気付けたのではないだろうか。(高橋美穂)