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COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート


今年(と言えるのももうあと少しだ)1月にComplete Single Collection『c.s.c 20022011』をリリースし、それまでの活動の軌跡を総括すると共にニュー・フェーズへと突入したLAST ALLIANCEが、2年ぶりにCOUNTDOWN JAPANに帰ってきた。初っ端、「今年1年染みついた汚れ、ここでしっかり落とそうぜ!」というANZAI(Vo・G)のアジテートから、挨拶代わりというにはあまりにアッパーかつタイトな“片膝の汚れ”がフロアに叩きつけられる。極めてポップなメロディとよく練られたリフ、そしてANZAIとMATSUMURA(Vo・Ba)の個性の異なる2つの美声による華やかなツイン・ボーカルの絡みが、このMOON STAGEを一気に彼ら色に染めていく。イントロから歓声が上がった次の“疾走”では、じんわりかけられたヴォーカル・エコーがメロディの格好良さを増幅するサビに合わせて、フロアが跳ねる跳ねる! 早くも最高の狂騒を生み出している。

初期の人気曲“REBEL FIRE”から、オーディエンスからの声援に「最高。大好き、そういうの。本当に最高だよ。ありがとう」とストレートに応えるANZAIの男気がさらにフロアに火を点けた“a burning bullet”、開放感溢れるサビが文句なしに気持ち良い“エンプティハート”と、新旧織り交ぜつつもラスアラが一貫して自分たちの理想とするロックを追求し続けてきたことが分かる非常に統一感のあるセットで、フロアに弛緩を許さないままライヴが進んでいく。また、バンドの側も、各楽器の音圧、声量、テンポと、全てが最初からずっとMAXの状態を保ち続けている。本当に全身全霊を尽くすということがどういうことなのか改めて分かる、観ていて清々しい気持ちを抱かせてくれるバンドだ。締めの1曲に選ばれたのは“HEKIREKI”。高速のBPMながら多彩に展開するリズムに対し、フロアも曲展開に合わせたダンスで楽曲の熱を逃さず受け取っていく。ギター・ソロ前にANZAIが放ったシャウトにも、さらに大きな歓声を返すという熱狂ぶりだ。クリシェを用いるならば、これこそまさにバンドとファンの幸福な共犯関係というやつだろう。この場所にいる誰もが置いていかれない、置いていかない、激しくも温かいステージだった。(長瀬昇)