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『COUNTDOWN JAPAN 10/11』、MOON STAGEの4日間における数々のドラマを締めくくってくれるのはこの男、MCUだ! ステージ中央に陣取るDJ SHUHOの卓の脇には門松が立って、なんともおめでたい雰囲気。「イェイェイェー! 今日は何の日だ!? そう、2011年元旦! 明けましておめでとうございます」とペコリ頭を下げるMCU。「今日は特別に趣向を凝らしてやっていきたいと思います! ディス・イズ・ヒップホップ・エンターテインメント!」とけしかけられて叩き出されるSHUHOのトラックはなんとKREVA"ストロング スタイル"じゃないか! それに正月を踏まえたオリジナルのリリックが乗せられて、スムーズかつ力強いマイク裁きで繰り出される。更にMCU初のソロ・アルバムに収録されていた"U'S PROFILE"とLITTLEの"聖者が街にやってくる"がミックスされ、電気グルーヴ"Shangri-La"のMCU年賀ラップ・バージョンなどが次々に投下されていく。「夢でKISS KISS KISS、今日は俺ひとりだけどKICK! KICK! KICK!」とKICK THE CAN CREWの"地球ブルース"が届けられるに至っては、長い一日の疲れが跡形もなく吹き飛ばされてしまうMOON STAGEであった。

「どう? このライブの始め方。なんでもかんでもヒップホップって言葉で片付けるのは好きじゃないけど、こういうことが出来るのはヒップホップならではだと思います。じゃあ、俺のオリジナル曲も聴いてください」。と、"nukumori"やケツメイシ/Ryojiのボーカル・パートをオーディエンスに委ねる"いいわけ"、そしてTV番組に提供した、パワフルな力強いダンスホール・レゲエのトラックに弾ける応援歌"カラダ張りの唄"などが披露されてゆく。"真夏の奇蹟"では両手を頭上で大きくクロスさせるように振るアクションがフロアに広がって壮観だ。マイク一本を握り、残されたもう一本の腕で視界一面のオーディエンスを掌握してゆくMCUの姿は、やはりスターそのもの。エレクトロニックな賑々しいダンス・ビート"ギミギミ・ナイトフィーバー"にオーディエンスのタオルが振り回されて本編を終えたものの、「アンコールまってるぜ!」と告げて堂々のステージ帰還を果たしてしまう。"サヨナラ"の流麗なラップ・ソングにフロアではスウェイが揺れ、「あらためて、あけましておめでとうございます。2011年、ここに集まってくれたみんなが"幸せであるように"」と放たれたラスト・ナンバーで、まるで初日の出のように眩しく、温かいヴァイブに包まれたMOON STAGEであった。(小池宏和)