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あと2組を残すのみとなったCOSMO STAGEに、2007年の結成からわずか数年にしてこの国を代表するエレクトロ・デュオとなった80kidzが登場! 話題性と注目度に比例してびっしりフロアを埋めたオーディエンスが待ち受けるなか、ズン!ズン!と腰にくる重厚なビートと扇情的なキーボードがCOSMO STAGEに響き渡る。そう、オープニングの“Nautilas”で幕を開けた瞬時に、COSMO STAGEには狂騒的なレイヴ・パーティ会場が出現。ALI&が高らかに両腕を掲げると、フロアのコブシというコブシが客席を埋め尽くす! その勢いのまま“Voice”へと繋ぎ、2010年10月に発表した最新作にして彼らの2ndアルバム『WEEKEND WARRIOR』同様の流れでCOSMO STAGEを容赦なく煽動。そのサウンドによってオーディエンスを丸呑みにして熱狂の度合いを高めていく。

続く“Flow With It”では、扇情的なディストーション・シンセサイザーがドーパミンの脳内分泌を急加速させ、カラフルに明滅するライトと相まってフロアは一気にオーヴァー・ヒート! さらに“Prisma”、“Miss Mars”、“Disdrive”と、間断なく強力チューンを畳み掛けていく。めちゃめちゃパワフルで、すこぶる扇情的なのに、どこか切なさと哀しみのようなものを内包した彼らのディスコ・サウンドは、日ごろクラブで踊る無数の孤独な魂に寄り添っているように、COSMO STAGEのオーディエンス一人ひとりにも深くコミット。彼らの楽曲は、まさに“歌って”いるのだ。内的衝動を呼び醒まして解放を促すがごとく、問答無用に身体を揺さぶってみせる。

終盤の“Red Star”では、ファンファーレのようなシンセ音とアッパーなビートが目もくらむようなクライマックスを立ち上げ、オーディエンスは文字通り歓喜の渦に! そして、ラスト・ナンバー“Weekend Warrior”の新年を祝うバキッバキのアッパーなビートで軽々と幾度目かの沸点へ! 最後にヴォコーダーを通して「ドウモアリガトウ!」と初めてオーディエンスに語りかけた以外、無言のままに80kidzは文句のつけようがない勝ち名乗りを上げてしまった。(奥村明裕)