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カウントダウンまで残すところ2時間……そんな異様なテンションに包まれたEARTH STAGEを熱く燃え上がらせるのはこの人、岡村靖幸! 今年、アルバムとしては7年ぶりとなる『エチケット』2作品をリリースし、4年ぶりのツアーを行うなど「完全復活」を遂げた岡村ちゃん、堂々のCOUNTDOWN JAPAN初出演である。その奇跡の瞬間を見届けようと、開演時刻が近づくにつれてEARTH STAGEにはぞくぞくとオーディエンスが詰めかけてくる。エレクトロニックなSEに乗ってまずはバンド・メンバーが登場。次第にダイナミックなバンド・サウンドへと移行したところで、遂に黒いスーツを纏った岡村ちゃんが登場!! アタック感の強いビートに乗って、いきなりキレッキレのダンスを披露する。さらに黒くうねるファンク・ビートがオーディエンスの腰を容赦なしにくねらせていく。名曲たちを惜しみなく並べ立ててめくるめくダンス・タイムを築いていく完全無欠のステージ。脳天をブチ割るようなビートの鋭さ、官能の世界へと招き入れるメロディの素晴らしさは勿論のこと、ドラム/ベース/ギター/キーボードにトランペットやサックスも加えた豪華なバンド編成から放たれる、バンド・グルーヴの分厚さがハンパない。まるでステージから凄まじい熱風が吹き荒れているような、音の圧。その破格のエネルギーは海外のトップスターに勝るとも劣らないと声を大にして言いたくなるほどだ。

しかし。なんといっても驚愕させられるのは、その強靭なサウンドをバックにしびれるパフォーマンスを展開する岡村靖幸その人だ。「いくぜ、東京!」とか「皆に伝えたいことがあってさ……年末風に噛み砕いて言うと……よろしくー!」とかいう言葉を浴びせかけながら、ソウルフルな歌声を響かせ、腕を振り回し、ステップを踏み、くるりとターンし、ギターを弾き鳴らし……とほぼノンストップで動き続ける岡村ちゃん。その表現者としての引き出しの多さにはとにかく驚かされたし、まるでファンクの神様が乗り移ったかのような才気ほとばしるパフォーマンスが展開されるたびに、怒号のような歓声がEARTH STAGEを震わせたのは言うまでもない。……と、終始おののきながら腰を揺らしている間にあっという間のクライマックスへ。颯爽とステージを後にする岡村ちゃんの背中、もの凄い圧勝感に満ちていました。年明けには『エチケット』のアンコール・ツアーも開催予定。まだまだ快進撃を続けていく岡村ちゃんの動向からは、来年も目が離せそうにない。(齋藤美穂)