メニュー


◆the telephones (14:05 リベルタステージ)
ゲスト・アーティスト:なし

ゲスト・ミュージシャンをステージに呼び込み多彩なセッションを展開するアーティストが多いなか、このthe telephonesだけはちょっと違う。冒頭、4台のパーカッション・シンセが並べられたステージに、メンバーがいきなり登場。お揃いの青いツナギを着て、フードをすっぽりかぶっている。4人が横一列、そして揃いのユニフォーム。ってことは何か、これはクラフトワークへのオマージュか? そう、これがthe telephonesのJAPAN JAM仕様スペシャル企画、“テレフォンマン・エレクトリックジャムセッション”なのだ。ギターもベースもドラムもなし、全員がドラム・スティックを握り締め、オケに合わせて飛んだり跳ねたりの大騒ぎである。岡本(Synth,Cowbell,Cho)など、早々にスティックを放り投げてマイク片手に何か叫んでいる。なるほど、このわけのわからないハイテンションの前では、どんなゲストも必要ないということか。ところで、さっきクラフトワーク?なんて書いたけど、違いました。あのドイツ人たちはこんなにテンション高くない。このジャム・セッション、クラフトワークというよりはEXILEだった。いつの間にかメンバー4人が縦一列になって、ぐるぐる回ったりポーズ決めたりしている。で、結局これは何なのか? ますます謎は深まるが、バンドはばっちりフィニッシュを決めて早々にステージを去っていった。そして、5分ほど経ち、カラフルなアフロかつらをかぶって再びステージに登場した彼らは、いつもの、僕らが知っているthe telephonesだった。


 というわけで、ここからはめくるめくディスコ・ビートとシンセの洪水だ。石毛(G/Vo)が叫ぶ。「JAPAN JAM! 初めてのフェスだから、伝説を作ろうぜ!!」。富士山麓に鳴り響く近未来的スペーシー・サウンド。シュールといえばシュールな光景だが、彼ら一流のあのテンションと勢いで、何でもありになっていく。突き上げられる拳、拳、拳!! “Baby, Baby, Baby”の軽快な打楽器のリズムに、澄んだ空気がビリビリと震える。4月にリリースされたばかりの『Oh My Telephones!!! e.p.』に収録されている “kiss me, love me, kiss me”も含め、MCらしいMCもほとんどなしのまま、とにかくアッパーに突っ走る。さすがに少し肌寒くなってきた富士スピードウェイだが、いま、リベルタステージの周辺だけは体感温度がやたらと高い。「Are you DISCO?」「We are DISCO!」「We are JAPAN JAM!」というコールをはさんで、いよいよショウはクライマックスへ。夏に予定されているアルバムからの新曲、その名も“I hate DISCOOOOOOO!!!”のあとは、「でもやっぱり最後は愛だよね」(石毛)と“Love&DISCO”! 2日間の出演者のなかでももっとも異色でラディカルといっていいthe telephonesの「ジャム・セッション」は、こうして幕を閉じたのだった。(小川智宏)

1 テレフォンマン・エレクトリックジャム・セッション
※転換
(SE) happiness,happiness,happiness
2 A.B.C.DISCO
3 Baby, Baby, Baby
4 Monkey Discooooooo
5 kiss me, love me, kiss me
6 HABANERO
7 D.A.N.C.E to the telephones!!!
8 I hate DISCOOOOOOO!!!
9 Love&DISCO