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◆YO-KING (14:20 リベルタステージ)
ゲスト・アーティスト:サンボマスター/DUKEアイプチ/ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)/金澤ダイスケ(フジファブリック)

今回のJAPAN JAMは、YO-KING率いる新バンドが初お披露目!という機会であり、同時にソロ・パートのバックを務めるのもいつもとは異なる面々の特別編成である貴重な機会。まずは舞台にYO-KINGがひとりで登場し、「こんにちは、YO-KINGです。1曲目は僕の声を存分に楽しんでください」といっておもむろに童謡の“さっちゃん”を歌い始めると、会場にくすくすと笑いが広がる。ハーモニカのイントロで始まった、ボブ・ディランのカヴァーにして真心ナンバーの“マイ・バック・ページ”、しみじみとさせるメッセージがあくまで肩肘張らず、ポジティヴに放たれる“世界の元”をひとりで演奏したあと、「バンドのみなさん出ておいでー!」と、特別編成のバンド・メンバーを引き入れる。

おなじみのドラム:DUKEアイプチのほかは、ベースにOKAMOTO’Sのハマ・オカモト、keyにフジファブリックの金澤ダイスケ、と、世代を超えた面々が集まった。ハマ・オカモトのどっしりとしたベースのリズムでスタートした“カプセル”、切なさや無常観を取り払うかのような“その後の世界”と、レイドバックした空気のなかに、歌がゆっくり、じんわりと溶け込んでいく。広いフィールドの隅々に広がった“Hey! みんな元気かい?”、金澤ダイスケのキッチュなキーボード・プレイが冴える“遠い匂い”と、YO-KINGの創り出す歌の普遍性がまっすぐ伝わるパフォーマンスになった。

そして「ここからすごい時間帯が始まります! イケメンが登場です!!」という煽りMCを受けて、先ほどの面々になんと(わかっていた方も多い?)サンボマスターが加わって、総勢7人が舞台に登場、覆面バンドの正体が明らかになる。「Yo-King Master Cabin Attendantでーす!」とYO-KINGがバンド名を紹介して、Yo-King Master Cabin Attendantの頭文字をとって“Y.M.C.A.”、つまりあの“YOUNG MAN”を投入。これが盛り上がらないわけがなく、オーディエンスが後ろの方まで揃って振り付きで歌う圧巻の光景が広がる。客のノリが悪くてYO-KING拗ねて山口が客を煽る、という演出が途中であったのだが、(そのことをMCでネタにもしていたが)それが必要なかったほどに誰もが楽しんでいた。“空にまいあがれ”でYO-KINGと山口が交互に歌い合う姿もすばらしかったが、 “GREAT ADVENTURE FAMILY”を、二人がアカペラで一緒に歌うというエンディングもすばらしいものだった。サンボマスターのライヴでは、最後に山口がひとりでこの曲をアカペラで歌うというのが恒例になっていたのだが、だから山口がこの曲に寄せる愛着がじわりと伝わり、YO-KINGのアカペラもまた、包み込むようなおおらかさで、すばらしいエンディングになったのだった。固く握手を交わした2人が去っていく姿は、とても微笑ましいものでもあった。(羽鳥麻美)

1 さっちゃん
2 マイ・バック・ページ
3 世界の元
4 風に別れを w/DUKEアイプチ/ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)/金澤ダイスケ(フジファブリック)
5 カプセル w/DUKEアイプチ/ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)/金澤ダイスケ(フジファブリック)
6 その後の世界 w/DUKEアイプチ/ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)/金澤ダイスケ(フジファブリック)
7 Hey! みんな元気かい? w/DUKEアイプチ/ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)/金澤ダイスケ(フジファブリック)
8 遠い匂い w/DUKEアイプチ/ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)/金澤ダイスケ(フジファブリック)
9 YOUNG MAN w/サンボマスター/DUKEアイプチ/ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)/金澤ダイスケ(フジファブリック)
10 空にまいあがれ w/サンボマスター/DUKEアイプチ/ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)/金澤ダイスケ(フジファブリック)
11 GREAT ADVENTURE FAMILY w/山口隆(サンボマスター)