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「10年目のROCK IN JAPAN」をもっとも象徴するアーティスト、そのひとつが彼ら100s、そして中村一義であることに異論はないだろう。100sの歩みは、ROCK IN JAPANのそれとぴったりと寄り添いながらここまできた。そして今日も、中村一義のハイトーン・ヴォイスがGRASS STAGEにこだまする。「どう?」。もちろん、最高だ。リリースされたばかりの傑作アルバム『世界のフラワーロード』からの楽曲は“ミス・ピーチ!”“そりゃそうだ”“いぬのきもち”の3曲と少なめだったが、そのぶん全キャリアを網羅する名曲が並ぶ。演奏順に書くと、“犬と猫”にはじまり“1,2,3”“ショートホープ”“ジュビリー”“新世界”“キャノンボール”、そしてラストは“ロックンロール”。大きなアクションとともに声を張り上げる中村一義。これが彼という才能と100sという仲間のすべてだ。「10年目のお祝いの意味をこめて」披露された“ジュビリー”を歌い終わったあとに中村一義が叫んだ「おめでとう!」はROCK IN JAPANに向けられ、そこに集った人々に向けられ、中村一義自身に向けられ、そしてここで鳴っているすべてのロックに向けられているように聴こえた。フェスの幸福はここにあったのだ。(小川智宏)