「ジャパニーズ・インディペンデント・バンド、おとぎ話です!あったかいねえ。晴れさしたのは僕らのおかげだから。…思いっきりやろう。」いきなり爆音で鳴らされる“火星”の歌詞で毒づく有馬である。でも、同時にとろけるような甘いメロディが奏でられてしまうのも、おとぎ話の憎めないところというかズルイところというか。最高にカッコよくて最高にチャーミングなバンドなのであります。ギタリストの牛尾が得意のМ字開脚ポーズをキメながらプレイしている。“ネオンBOYS”を経たのちにファズの効きまくった激しいリフが掻き鳴らされ、“GALAXY”。このサウンドにこのタイトルを付けた彼らは素晴らしい。銀河系の彼方へと飛んでゆくサウンドに、パーク・ステージへと集ったオーディエンスたちが飛び乗る。唐突に「ロック・イン・ジャパンとザ・ミッシェル・ガン・エレファントに出会わなければ、僕はここにいませんでした!」と、一瞬ミッシェルの“ブギー”のギター・フレーズを弾く有馬。グッとくる。畳み掛けるように“FESTIVAL EXPRESS”と“FUN CLUB”でクライマックスへと導いていったおとぎ話に、どこまでも深いロック愛を見た。(小池宏和)
おとぎ話 のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ