頭上には晴れた空! しかし、適度に風が吹いていて、枝になるマツボックリが可愛らしく揺れている。どこかのんびりした雰囲気が漂うパーク・ステージ2日目のトップバッターに登場したのはAPOGEE。メンバー4人は、マイケル・ジャクソンの“Bad”にノリながら登場した。永野亮(Vo/G)が帽子を投げるフリをして笑いを誘う。 演奏が始まると、フィールド全体が一気にAPOGEEワールドで染め上げられていった。永野の透明感と憂いを帯びた歌声、大城嘉彦(Syn/G)の奏でるシンセのスペイシーな音色が印象的なので、ともすると意識されないが、実はどの曲も強力にファンキーでダンサブルなのがユニークだし、猛烈にカッコイイ! お客さんたちは「歌声にうっとり心奪われつつも、気がつくとエネルギッシュに踊ってしまう」という、マジカルなサウンドに大いにときめいていた様子だった。「今日はすげえいい天気。去年よりやりやすくて楽しいです」と、永野は明るい笑顔で今日のステージの印象を語っていた。そして、突入したラスト・チューン“夜間飛行”が実に美しかった。雪の結晶のように凛としたシンセと、ダンサブルなリズムが絶好の融合を果たし、至福のクライマックスへと突き抜けた。満足そうな表情でステージを去る4人に、お客さんたちは熱い拍手を届けていた。(田中大)
APOGEE のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ