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昨日とはうって変わって最高の晴天で迎えた2日目、シーサイド・ステージのトップバッターはロック・イン・ジャパン初登場の七尾旅人! 1999年のデビュー以来、エレクトロニカ、フォーク、テクノから純粋なるギター・ロックまで、あらゆるジャンルを呑み込んだ独特の世界観で注目を集め続けてきた彼が、満を持してひたちなかに見参した。スタートは、メロウなアコースティック・ギターを爪弾く名曲“airplane”から。純粋な感情をそのまま言葉にしたような歌詞がダイレクトに心に響いてくる。青い空の下で彼の歌声を聴くことができるなんて、本当に贅沢極まりない体験だ。続いて、バックバンドを呼び込み“PUNK JAZZ”へ突入。サックスとベースの熱を帯びたプレイにからまる、七尾のささやくような早口言葉やエフェクトで歪ませた不思議な声が、空間を妖しく染め上げていく。軽やかなリズムとさりげないピアノが心地よい“どんどん季節は流れて”では、オーディエンスにコーラスを依頼。みんな、気持ちよさそうに身体をゆらしながら、その呼びかけにこたえていく。そのコーラスを聴き、「来てみてよかった」と彼はうれしそうにつぶやいた。最後は、「来月出るシングルをやります」と、ラッパー=やけのはらとコラボレートした“Rollin’ Rollin’”を途中まで披露。その唯一無二な歌声が、シーサイド・ステージをすっぽり包み込んだ、あたたかいステージだった。(小島麻未)