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夏空が広がり、気温が上昇してきた。周囲の林からは、やる気満々の蝉の鳴き声が聞こえてくる。そんな虫たちも営みを一時中断して聴き入ったこと間違いなしなのがLOVE LOVE LOVE。3ピース編成なので、シンプルなサウンドではあるのだが、巧みに互いのフレーズを絡み合わせ、奥行き深いドラマを描き出すのが見事! タメやキメを随所に盛り込み、ドラマチックに展開する様にも胸躍る。そして、特筆すべきはコーラス・ワーク。寺井孝太(Vo/B)の歌に対して、浦山恭介(G)と澤本康平(Dr)もコーラスで加わり、豊かなハーモニーを生み出していた。1曲目“Far-Far”の時点で、抜群のサウンドでフィールド全体を包み込み、お客さんを笑顔で踊らせていた。  「今日は雨が降ると予報では言っていましたが、晴れましたね。会場の人全員が『晴れろ!』と思っていたからではないでしょうか」と、何処か朴訥としたトーンで語り、お客さんたちを和ませた寺井。そして突入した2曲“夕焼けルーシー”“狂える僕らの深層心理”は、力強いサウンドがフィールドを大いに盛り上げた。そして、最後の曲“マッシュ”では甘酸っぱくて叙情的なメロディが、鮮やかに花開いたのであった。(田中大)