1曲目“チェンジアップ”で早くも強烈なサウンドをぶち上げ、お客さんたちを釘付けにしたcinema staff。まるで4人全員が一丸となって生き急いでいるかのような、尋常でないエネルギーの塊を喰らって、フィールド全体が熱狂しまくったのだった。また、爆音で攻撃性を剥き出しにしつつも、唐突に空白を挿入したり、急に清らかなアルペジオを奏でるのにもワクワクさせられた。そして、なんと言っても度肝を抜かれたのが辻友貴（G）と三島想平（B）のステージ・アクションだ。楽器をブッ叩きながらプレイし、激しく転げまわるかのようにステージを揺らす様が、強烈なインパクトを放ちまくっていた。飯田瑞規（Vo/G）はこの2人とは対照的に、上手のポジションでひたすらに乾いた美声を響かせ、このバンドのメロディの素晴らしさを大いに体感させてくれたが、“karakuri in the skywalkers”のラスト部分ではギターを外し、マイクを掴んで喉が張り裂けんばかりにシャウト！
すさまじいエネルギー、抜群のメロディ、何か起こるか分からないスリル。これらに溢れ返っているcinema staffは、紛れもなく只者ではない。このステージを目の当たりした全てのお客さんたちが、彼らの名前とサウンドを、胸に刻みつけたことだろう。（田中大）