メニュー

砂塵舞うGRASS STAGE。山嵐、圧勝のライヴ! 16:20 GRASS STAGE

 昨年、LAKE STAGEで一見の観客を大興奮のるつぼに陥れたヘヴィ・ファンク・バンド、山嵐。今回は満を持してGRASS STAGEでの登場だ。昨年の評判を知ってか、既に大勢の観客がステージ前で彼らの登場を待ち望んでいる。瞬殺のグルーヴが開放されるのも時間の問題だ。メンバーが登場すると共に大歓声が巻き起こる。爆音が会場全体に鳴り響くと同時に観客が一斉にジャンプ。身体いっぱいに弾ませてステージを縦横無尽に駆け回るKOJIMA、SATOSHIの2MC。それとは対象的にほぼ同じ場所で黙々と煉獄のヘヴィ・リフとソリッドなファンクを刻み続ける武史(Ba)、YOSHIAKI(Dr)、KAZI(Gt)、OGA(Gt)の鉄壁の4人のバンド・アンサンブルがとにかく鋭く会場に突き刺さる。“RIDE ON MY WAVE”“山嶺”“BOXER’S ROAD”のインド音楽をはじめとする民族音楽の要素、ジャジーなグルーヴ、即興演奏的なダイナミズムをたくみに取り入れた圧巻の演奏が観客を喚起する。途中、緊張しすぎてペースがめちゃくちゃになってしまったと照れくさそうに語るSATOSHIがとても微笑ましい。
 急激に空が曇っていく「ちゃんとMC用意してたんだけどさ」と苦笑まじりに再びSATOSHIが語り、「ピースを作って手を上げてくれ!」という声と同時にギターが流麗でメロウなアルペジオを奏でる“空の上”だ。観客全てが手を上げて会場がさながらピース・サインの雲のようになった。壮観で感動的な光景だった。山嵐のライヴはヘヴィ・ロックにありがちな殺伐とした雰囲気ではなく、とてもピースで優しいトーンが根底にある。そんなバンドのムードから生まれるジョイフルなリズムが観客を一段高く飛ばしてくれる。“空の上”はそんな彼らのバンドの佇まいがとてもよく現れた名曲だ。“パカパカ”の後、SATOSHIの丁寧なMCを経て、さらにテンションが高まったナンバーが繰り出されてライヴは終了。裸の男子が興奮した顔つきで「すげえ、すげえよ」とうわごとのように呟いてたのと、手を高く掲げてハイタッチを交わしていた女の子たちのほんとに楽しそうな表情がとても印象に残ったライヴだった。さあ、次はいよいよエレファントカシマシです。(17:30 GRASS STAGE)
圧巻のへヴィネス。しなやかなミクスチャー アオられっぱなしの客席なのだ
終演後、けぶっているフィールド光景。
砂埃と思いきや、霧が次第に覆い始めてます