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15:28~ 灼熱のステージで70’sロックへの愛を鳴らした
HEESEY WITH DUDES

8/3 18:20 UP
HEESEYである。ザ・イエロー・モンキーの活動休止から2年余、今年の3月にソロ・プロジェクトHEESEY WITH DUDESとしてアルバム『OBSTINATE ROCKAHOLIC』をイエロー・モンキーのメンバーの中でもいち早く発表。そして、今年のROCK IN JAPAN FES.2003にもこうして参加してくれているわけだが、この日のライヴは、なぜそうやって彼が真っ先にソロ・アーティストとして動き出さなければならなかったのか教えてくれるようなライヴだった。
ほぼ時間通りにHEESEYは腰を振りながらステージに登場。1曲目はアルバムの1曲目でもある“Spirit Free”。すごい、この暑さのなかでこんなに動いて大丈夫かと思うくらいお客さんがが盛り上がっている。HEESEYの曲は、どれも70’sハードロックの王道とも言うべきもなのだけれど、ああいう曲調はこんなにもノリやすいものだったっけ。この時点でシート・ゾーンから集まってくる人も多数。そして、2曲目“Husky Street”が終わったところで「じゃあ次はヘヴィーなナンバーをブチかますぜ!」という台詞と共に繰り出されたのは、ずっしりとしたリフが印象的な“NO HEARTS”。そこに“ニンフォマニア” “NAMELESS LOVER”と続いていく。この“NAMELESS LOVER”はシングル・カットもされた曲だが、むちゃくちゃカッコいい乾いたギター・リフについつい腰が動いてしまう。なんか思わず僕は10代の頃を思い出してしまった。年上のお兄さんに初めて70’sハードロックを教えてもらって、すんごいビックリして憧れて聴きまくっていたときのこと。そんな郷愁さえ感じさせる70’sハードロックが見事にHEESEYの手によって甦っている。そして「老いてますます盛んなHEESEY WITH DUDESです」というMCで始まったのは、そんな気分にピッタリの“OLD CHILD”というタイトルの曲だ。この曲も、ほんとギターの指使いに見入ってしまうようなリフがカッコいい。最後は、今日のセットリストの中でも屈指のド真ん中ロックンロール“DOWNTOWN TOKYO”。この曲のときには、今日ここで初めてHEESEY WITH DUDESに出会った人も含めて、ステージ前方の誰もが思い思いの踊りを踊っていた。約40分、HEESEY WITH DUDESのステージはそうして終了した。
しかし、今日のライヴを観て、あらためて思ったのはHEESEYの70’sハードロックへの愛はすごいものなんだなということだ。ちょっとしたベースを弾くときの仕草から、煽り文句の入れるタイミングまで、それはすべて僕も10代のときに憧れていた、あの70’sハードロックのものだ。あの頃に受けた衝撃をずっと抱えたまま、HEESEYはイエロー・モンキーの一員として走り、そして今もHEESEY WITH DUDESとリーダーとしてシーンの中を走っている。今のシーンでここまであのときの愛情を持ちつづけている人を僕は知らない。きっとその愛情が彼にソロ・プロジェクトもやらせているのだろう。そんな彼の変わらない音楽への愛情を思い知らされたライヴだった。(古川琢也)
地元から参加の二人組。
「こんな環境で観れるのが面白かったです。
だって太陽の下のHEESEYですよ?(笑)」

HEESEYを照らした太陽。
まだまだ陽射しは強いです。