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 ハイロウズの登場は、もちろんこの日のハイライトだ。そして、このロック・イン・ジャパンの歴史でも特筆すべき出来事かもしれない。他のアーティストに失礼? でも、間違いなくこのロック・イン・ジャパン・フェスに出てくれるアーティストみんなが認めてくれるだろう、「うん、ハイロウズは凄いよ!」って。もちろんお客さんもそうだろう。そう、グラス・ステージで彼らを迎えるため音量を増していくSEに負けじと威力を増していくのは、お客さんの「GO! ハイロウズ、GO!」の大コール。凄い期待感。
 そして遂に登場! マーシーは上半身裸。ヒロトはあの奇妙なんだけどカッコいいとしかいいようがないステップで登場し、「こんばんは、ザ・ハイロウズです!!!」
 そして鳴らされたのは“青春”だったのだ。1曲目から名曲“青春”!!!!  会場は間違いなくこの日最大の盛りあがり、そしてこのフェス史上屈指の盛りあがりを記録したと思う。フェスは青春的だというけれど、ならばこれほどこのフェスの雰囲気にぴったり合う曲もない。フェスが青春的であることの最大の証明だ。
「おい! ダンスダンス!!」のヒロトの煽りに続いて、“ズートロ”“荒野はるかに”“砂鉄”と、新レーベルHAPPYSONG RECORDS設立後の新曲を3連発。“ズートロ”での大ジャンプで地面が揺れる。そしてお客さんの「オイ!」のシャウト。ちょっとユーモラスにも聴こえる曲なのだけど、これは本当に感動的な光景だ。だって、「ズートロ、モートロ(=ずっとロック、もっとロック)」ってメッセージに、3万を超える人達が、いっせいに「YES!」を掲げてるんだぜ。ほんと、「ハッピーソング」だ。
“砂鉄”が終わってヒロトがシャツを脱ぎ、アコギを抱える。「もう1枚取ったら僕の大事な部分が……シェルターから剥き出しになってしまう~」と言って会場を笑わせる。絶対「下も脱いでー」って言ったお客さんがいるんだろうな、いつものことだけど(笑)。ギターをかきならしながらゆっくりとヒロトが歌う。「このまーま どこか遠くー 連れてってー」。そして大歓声。 “日曜日よりの使者”! さっきまでの張り詰めてい空気がほどけ、ゆったりとしたハピネスで包まれていくのがわかる。さっきまで拳を振り上げていたお客さんも、今は手拍子したり、そしてゆったりと両手を左右に振ったり。この自然な緩急もまた、ハイロウズの魅力だ。
 しかし後半は、徹底的なハイロウズ名曲群の絨毯爆撃で、夜のグラス・ステージの温度を1度たりとも下げさせない。たまらない。“俺軍、暁の出撃”での、「ナーナーナナナナーナ」のヒロトとお客さんの応酬にトリ肌。“相談天国”で爆笑しつつ圧倒される。そして“真夜中レーザーガン”。ほんとたまらない。

 アンコールを望む歓声が収まらない。みんなロックのことで頭がいっぱいなんだろう。俺もそう。なんか自分じゃない自分がキーボード叩いてるみたいだ。そうしたらマーシーがタオルをくるくるとまわしながら登場。ヒロトが言う、「ロックンロールはすげえなあ」。その通り。そしてさらにギターを抱えて言う、「ピート・タウンゼントと同じヤツです」。そして始めたアンコール1曲目は“不死身のエレキマン”。そしてアンコールラストは、ハイロウズ始動時に世の中を揺さぶり倒した至極のハイエナジー・ロックンロール・チューン、“ミサイルマン”。そう、ハイロウズは今も、最初も、「ずっとロック」だったのだ。そしてたぶんこれからもそうだろう。最後にヒロトが言う、「ロックンロール最高だな!」今日一番の大歓声。ロックは最高で、やっぱりハイロウズは最高だったのだ。ハイロウズ、サンキュー! ほんと、「ズートロ」、しつづけてくれ!!

1. 青春
2. ハスキー(欲望という名の戦車)
3. ズートロ
4. 荒野はるかに
5. 砂鉄
6. 日曜日よりの使者
7. スーパーソニックジェットボーイ
8. 罪と罰
9. いかすぜOK
10. 俺軍、暁の出撃
11. 相談天国
12. 真夜中レーザーガン

EN-1.不死身のエレキマン
EN-2.ミサイルマン

これで1日目のグラス・ステージのアクトは全て終了しました。この盛り上がりの主役となってくれた参加者の皆さん、本当にありがとう!&お疲れ様! 帰りもくれぐれも気をつけて、そしてまた明日、元気な顔で会いましょう!!  (柳憲一郎)