昨日、出演した井上陽水によって“三日月”をカヴァーされた絢香。本人も実際にその模様を観ていたそうだが、ソウルフルな彼女のスキャットのアドリブから始まったライヴ、その１曲目は“三日月”だった。昨年から今年にかけてかかりまくったこの曲だが、音源で聴くよりも、生で聴く彼女の歌は、ずっと豊潤でタフ。ソウルはもちろん、ブルース、ファンクまでを肉感的に理解してることは、歌いまわし一つを聴くだけで分かる。その次に演奏された、ドラマの主題歌にもなっている９月発売の新曲“CLAP & LOVE”は、まさにそうした彼女の実力を伝えてくれるアップテンポの楽曲。ライヴの場では姉御とも言うほどの、存在感と力強さが彼女にはある。“Peace Loving People”ではLAKE STAGEに大合唱を巻き起こし、“Real Voice”ではオーディエンスをジャンプで揺らして、“君のパワーと大人のフリ”では「ROCK IN JAPAN、サイコー！」というコール＆レスポンスを見事にキメてみせる。最後は、珠玉のバラード“Jewelry Day”。アコースティック・ギターとヴァイオリンだけをバックに歌われたこの曲は、彼女の歌が持つタフさが美しさに直結してる曲だ。バックのメンバーが１人1人ステージを去っていくなか、最後までステージに残ったのはアカペラで歌い続ける絢香の姿だった。（古川琢也）