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遂にこの日がきた。当フェス総合プロデューサー・渋谷の「チバのシャウトが初めてひたちなかに響きます!」という紹介で、遂にステージに上がった、The Birthdayが。THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、ROSSO、MIDNIGHT BANKROBBERS――全キャリア合わせて初めて、チバがこのひたちなかのステージに立った日、それが今日だ。もちろんキュウちゃんもイマイもヒライもそうだ。1曲目、イマイのギター・リフも、リズムも、地を這うようにうねるミドル・チューン“タランチュラ”でライヴはスタート。か、かっこいい。あの、1曲目からもう100曲歌い終わったみたいにしゃがれた、でもいちいち言葉がはっきりと耳に突き刺さる、この国で最も「叫ぶように歌い、歌うように叫ぶ」ロック・ヴォーカリストの究極形であるチバの声が、GRASS STAGEに響き渡っているという事実、その段階でもう相当感無量だが、シンプル極まりないロックンロールの定型なフレーズやリズムを、誰も真似できないし誰も到達できない漆黒のグルーヴへと染め上げていくイマイ&ヒライ&キュウちゃんの音も、もう楽器を持つ人(もしくは楽器の前に座る人)として天に選ばれまくっている。全10曲、50分ちょっとの間、GRASS STAGEエリア全体には、天候や気温とは別の発生源の、まるでタンブル・ウィドーを転がすような乾いた風が吹いていた。ってかっこよすぎるので余談。ラスト前の“さみしがり屋のブラッディー・マネー”で、チバがシャウト。「暑いからビールを早くくれ!」。え? こんな歌詞だったっけ? と思ったら2コーラス目で「寒いからテキーラを早くくれ!」。そう、そういう歌詞でした。アドリブだったのね。(兵庫慎司)