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2008年のROCK IN JAPANも、ついに残り1アクトを残すのみ。今日の、このステージを待ちわびて3日間を過ごした人も多いんじゃないか。あの衝撃の活動休止発表から3ヵ月弱。それが一旦のピリオドになる9月の単独ライヴに向けて、これはELLEGARDEN4人の姿をステージで目撃できる本当に貴重な機会のひとつになってしまったからだ。照明を暗く落としたGRASS STAGEに彼らが現れると、耳をつんざくような歓声と共に、数万人の視線がステージに集まるのがわかる。彼らのどの瞬間も、もう見逃したくない。そう感じさせるシリアスな空気の中で、むしろ軽快に鳴らされた1曲目は“Pizza Man”。時おり微笑みを浮かべる細美武士の表情からは、余計な気負いは感じられない。いつものELLEGARDENの、いつものライヴを。そういうことなのだろう。“モンスター”“Space Sonic”“Fire Cracker”“高架線”と、出し惜しみなしの選曲を予感させる展開に、超満員のフィールドが飛び跳ねて応えている。バンドのタフな演奏と、細美の歌うメロディと歌詞の世界観が出会ったときに生まれるエヴァーグリーンな「何か」。さらに“Missing”“BBQ Riot Song”“Supernova”など、汗だくで演奏を重ねてテンションをトップギアに上げていく彼らの中に、それがキラキラと光って見えるような気すらする。「遠いけど、俺たちここにいるからな! 俺たちからもお前らが見えてるからよ!」フィールドの遥か後方を見つめてそう宣言した細美のMCに続いてのラスト2曲“Make A Wish”“ジターバグ”で、フィールドの興奮は最高潮へ。アンコールは「この夜が終わるころ、僕らも消えていく」と切なく歌う“金星”……だけかと思いきや、「もう1曲やっていい? 湿っぽく終わるの、らしくないよな?」と言って“Surfrider Association”へ! ステージから彼らが去って花火が上がっても、いつまでもその場を動きたくないような最高のライヴでした。ありがとう!(松村耕太朗)