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1発目のペンパルズが勢いよく点火したここレイク・ステージの熱気を引きずったまま――というかそこにさらに油を注ぐように現れた、ロック・イン・ジャパン初登場となるエルレガーデン。日本のパンク~ギター・ロック勢の中で、爆裂エモーショナルな面やギターのエッジ感だけでなく、その洗練された楽曲のフォルムと清流のようなスピード感で独自の存在感を放っているエルレである。あるが、今日の彼らは最初っからもう、手のつけようもないほど沸騰しまくっている。爆走オープニング・ナンバー“Surfrider Association”にあがる大歓声!! 突き上がる拳!! 揺れるレイク・ステージ!! 続いて、メロウな歌と倍速リズムの核融合ナンバー“Supernova”でさらに高みへ昇り詰める!!

「今日は暑くて暑くて機械とか全部ぶっ壊れそうだけど、よろしくお願いします!!」とVo・細美のMC。すでにロック・イン・ジャパン初登場とはまるっきり思えない、貫禄とすら言ってよさそうな圧倒的なサウンドを叩き出している。昨日に続き灼熱のレイク・ステージなのだけど、エルレの曲を聴いてると不思議と涼しさを感じる。サウンドが、歌が激しく沸騰し盛り上がれば盛り上がるほど、聴いているこっちの頭の中には青く澄んだ風景が広がる。続く“風の日”“No.13”はまさにそんな、ギターのコード感と細美の歌声が不思議と心地よい風を感じさせる。この辺りの組み立てもバッチリだ。アゲ倒すだけでない絶妙の押し引き感でもって、完全にレイク・ステージを支配している。

「雲の上に出ると、地面は小汚いのに空はすっごく綺麗なんだよな。でも今日ここから見える景色は、空なんかよりずっと綺麗だよ!!」というMCで爽快感に拍車をかけつつ“Good Morning Kids”。そしてここから日本語ナンバー3連発=泣きのパンク・バラッド“サンタクロース”、そして必殺の切なさ大爆発ギター・ロック“ジターバグ”、そして“スターフィッシュ”!! ステージ前のスタンドだけでなく芝生のエリアの人たちまで総立ちだ。すげえ。

「今日はほんとありがとう。もう、言葉はいらない感じですね……最後の曲は、ここにいるすべての人に捧げます。通りすがりの人でも、これを見ていてくれるすべての人に捧げます」という声に導かれて鳴り響いたのは“Make A Wish”!! ゆったりとしたイントロから一転、阿鼻叫喚のロック・カタストロフをほんの数十秒間だけ描き出すこの曲で、圧倒的に濃ゆい余韻を残しまくってエルレ初ひたちなかは終了。ソリッドに炸裂する蒼き衝動。すげえ。すげえ!! と書いてるこっちも余韻どっぷりだ。そして次のアクトは――銀杏BOYZ!!(高橋智樹)

1.Surfrider Association
2.Supernova
3.風の日
4.No.13
5.Good Morning Kids
6.サンタクロース
7.ジターバグ
8.スターフィッシュ
9.Make A Wish