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6月にメジャー・デビュー・アルバム『the sum』をリリースし、ROCK IN JAPAN初出演となったLAST ALLIANCE。日本語の歌詞とツイン・ヴォーカルによる情感だだ漏れの歌。だけどどこかドライで男っぽい佇まい。パンクの勢いとメタル的なエッジ感。とはいえ必要以上にテクニカルなわけではなく、クリアに整理されたサウンド。このバンドのロックを形作っているのは、そういう要素だ。そういうロックが、これまでこの日本になかったかというと、そうでもない。だが彼らの場合、それらすべてを偶然ではなく知性に基づいた必然によって巧みにコントロールしているという印象を受ける。だから、エモーションは迸っても暴走しない。スペクタクルなギター・ソロがあっても、それが曲のバランスを崩すようなことはない。その平衡感覚が現代的なのだ。でも、じゃあ醒めているのかというとそうではなくて、この日のライヴでも「暑くてとろけちゃうぜー!」と叫ぶ ANZAI(Vo/G)や「ロックしようぜー!」と連呼していたshingo(G/Cho)のMCからも分かるとおり、熱いところはしっかり熱い。だから、観ているこっちは安心して身をゆだねることができる。彼らがライヴハウスで大きな支持を獲得している理由が、分かった。(小川智宏)