「リハだけど、聴きたい曲ある?」とサウンドチェック中からオーディエンスに問いかけて、“TRUTH IN MY ARMS”を掻き鳴らしていたLAST ALLIANCE。今年でバンド結成10周年というタイミングで、2009年以来、3年ぶりのRIJF参戦だ。ゴスペルのような荘厳なSEに導かれ、ステージに現れた4人。「今から全員でこの会場を一番アツい場所にしようぜ!」というANZAI(Vo&G)の言葉を皮切りに“BOYS DON’T CRY”の鋭利なギター・リフが放たれると、イントロから勃発するオイ・コール! さらに“片膝の汚れ”“a burning bullet”と連打して、ハイスピードで駆け巡るジェットコースターばりの勢いでWING TENTをカタルシスの彼方へ連れ去っていく。ANZAIとMATSUMURA(B&Vo)の流れるようなヴォーカル・リレーが、ここぞとばかりに拳を振り上げハイ・ジャンプするオーディエンスの闘志にさらなるガソリンを注いでいった。
sanoshingo Else(G)が奏でる甘美なアルペジオに乗って、「この楽しい時間もあと数時間で終わってしまうんで。残りの時間を全力で楽しんでいってください」とANZAI。さらに「今日はいい風が吹いてますね。この風は今日しか吹かないので。そんな中でライブができて幸せです。この黄昏空がいつまでも続くといいな。大自然ありがとう」と続ける。そして、ひたちなかの空に捧げるかのごとく“HEKIREKI”を披露。HIROSHIのドラムを皮切りにメタル・エッジなサウンドが高速で叩きつけられるラスアラのロックンロールは、ともすればインダストリアルな印象を与えるが、オレンジがかった空とそよ風に彩られた夕暮れ時の風景にこうもぴったりマッチしようとは。そう、彼らが衝動のままに解き放つアグレッシヴなパンク・ロックには、聴き手の心をやさしく包み込むような温もりに溢れているのだ。それを再認識できただけでも、今日の大きな収穫かもしれない。
その後は、獰猛なリフとビートの応酬で場内を燃え上がらせた“剣戟の響き”、ラスアラの名刺代わりと言える名曲“LAST ALLIANCE”と畳み掛けてWING TENTを大きく揺さぶっていく4人。最後は「俺たちをここに立たせてくれて本当にありがとう。次の曲で最後です。わかる人は一緒にシンガロングしてください。わからない人はハンドクラップでもいいや。とにかく、お前らとひとつになりてぇよ!」というMATSUMURAの言葉から“KONOYUBI TOMARE”を豪快に掻き鳴らし、壮絶なシンガロングが響きわたる大きな祝祭空間を生み出してステージを終えた。(齋藤美穂)
LAST ALLIANCE のROCK IN JAPAN FESTIVALクイックレポートアーカイブ