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スタートから20~30分ほど前、サウンドチェックに現れたa flood of circleがいきなり"博士の異常な愛情"をプレイ。オーディエンスは当然のように大盛り上がり。こういう、スタート前にちょっとした「オマケ」みたいな体験ができるのが、アーティスト本人がサウンドチェックを行うことの多いWING TENTの魅力の一つだ。開演時間になって、SEと共に現れた彼らはSEにかぶせる形での重厚なセッションを披露し、10、9、8、7……というカウントダウンから、"Quiz Show"を爆音でかき鳴らす。続いては9月発売のアルバム『ZOOMANITY』に収録された"フェルディナン・グリフォン・サーカス"。石井康崇(B)の跳ね回るようなベースラインが完璧にキマっている。"泥水のメロディー"、"Human License"では、渡邊一丘(Dr)のドラミングが生み出す爆発的な推進力にのって放射される佐々木亮介(Vo/G)のがなるような歌声によって、熱狂の渦に叩き込まれたオーディエンスは手を振り上げながら思い思いに踊りまくる。続いてサポートギター曽根巧のネイティブアメリカンのような雄たけびから幕を開けるダンサブルなブルーズ・ロック・チューン"Buffalo Dance"、普段ライブでも恒例となっている、メンバー紹介を挟んだ"プシケ"での熱い激情を爆発させながらの鬼気迫るステージング。急激なスピードで耳に迫ってくる、野性的で色気のある黒いグルーヴによって、以前からのファンのみならず、ここにいるオーディエンス全ての心を強烈にひきつけたまま、最後は彼らの必勝ナンバー"ブラックバード"を絶唱。最後まで一度も緩むことなく爆音を轟かせた彼らの衝撃のステージ、これからしばらく夢に出てきそうなぐらい良かったです。(前島耕)