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DJブースとギター・アンプ、マイクのみというシンプルなセッティング。そんなステージが、CICOとBECCAの2人が登場して“KAMINARI GIRL”へ突入し、BECCAのアグレッシヴな歌とギター&CICOの速射砲のようなラップが響き渡れば、あっという間にそこはマジカルでカラフルでポップでロックな祝祭空間へと塗り替わる! 「BENNIE KのYUKIがプロデューサーに専念し、CICOがUS女性アーティスト=BECCAとともにステージに立つ」という異色のユニット=BENNIE BECCAだが、その新プロジェクトにBENNIE Kとはまったく異なる色合いを与えているのは、それこそアヴリル・ラヴィーンのようなアメリカン・ロック感とポップ・センスを兼ね備えたBECCAの存在だ。“Narita Express”でミドル・テンポのビートに乗せて高らかに響き渡る、BECCAのハード・エッジなコード・ストローク! そして、2人のハーモニーが抜けるような青空のその向こうまで伸びやかに広がっていく……ロックかヒップホップか、バンドかユニットか、といった枠組みを軽やかに飛び越えるように、彼女たちの音はどこまでもイマジネイティヴでエネルギッシュだ。「暑い! 水分補給しましょう! みんな、飲み物は?」とフィールドに呼びかけるCICO。「次の、アツい曲、やるよ?」と若干たどたどしくもFORESTの熱気を煽るBECCA。これが初の夏フェスということだが、2人のコンビネーションと真夏の野外の開放感が絶妙のマーブル模様を描きながら、オーディエンスを巻き込んでいく。“Dilemmas”の、灼熱の空に融けるBECCAのハイトーン・シャウト! へヴィな世界の行進曲のような“The Beginning”を歌い上げる2人の強靭なハーモニー! ラストはディストーション大炸裂ロック・ナンバー“Dreamer”。パンキッシュなビートでもってエネルギーの最後の一滴までスパークさせるような熱唱。それに応えるように、FORESTに色とりどりのタオルが大回転! 眩しいくらいにエネルギッシュなアクトだった。(高橋智樹)