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黒いシャツ、赤いネクタイ、白いベスト、白いズボンでビシッと揃えたバンド・メンバーが一足早くスタンバイして、熱いファンク・サウンドを奏で始めると、投げキッスを何度もしながらSAKEROCKのハマケンこと浜野謙太(Vo)が登場! そして"きず"へと雪崩れ込み、朝一番から準備体操一切なしの濃厚なファンク・パーティーへとお客さんたちは巻き込まれていった。ハマケンは軽快なビートに乗りながらステップを細かく踏み続け、時にはクルリとターンをしながら歌い踊る。"きず""ダンボール肉まん""ばくだんこわい"がノンストップで連なり続け、辺り一体は完全に在日ファンク色へと脂っぽく染まってしまっていた。

「ここがどこか分からなくなってきた! だからみんなで京都へ行こう!」という唐突過ぎるハマケンの申し出に何故か従いつつ突入した"京都"の時点で、この空間はすっかり在日ファンクの支配下。曲中で「みんなキョウト&レスポンスをやるよ~!」というハマケンの声が上がり、「キョウト&レスポンスって何?」という疑問を挟む時間を一切与えず、お客さんたちが「キョウト! キョウト!」と叫びだす。どういうわけかそれが「ヒョウゴ! ヒョウゴ!」や「トウキョウトッキョキョカキョク!」へと転じていく様は、何だか神がかったパワーが宿っていた。

汗だくで踊るお客さんの腕が無数にフィールドで揺れる様が圧巻だった"最北端"が終わり、ワンマンライヴや、シングルの3ヶ月連続リリース(YOUR SONG IS GOODのサイトウ"JxJx"ジュン、サイプレス上野、さらにまだ発表できないビッグ・アーティストの参加が決定しているという)の告知をして始まった"罪悪感"は、完全燃焼のラスト・チューンとなった。お昼に起きたり、新聞を読まなかったりという、思わずドキリとしてしまう罪悪感のタネを次々と歌い上げつつ、「罪悪感!とコール&レスポンスしようぜ!」というハマケンの誘いに乗っかり、みんなで「罪悪感!」と叫んだあの気持ちよさはとんでもない。罪悪感も暑さもすっ飛ばしたに違いないお客さんの笑顔が思いっきり輝いたSeaside Stageの幕開けとなった。(田中大)