去年のROCK IN JAPANでは初日のWING TENTのトップバッターを務めたSEKAI NO OWARI。今年はLAKE STAGEの大トリとして登場だ。ライヴの始まる前から、フィールドを埋め尽くしたオーディエンスのおびただしい数が、この1年でシーンでの存在感と求心力を大きく増した彼らの今を物語っている。
「どうもはじめまして。SEKAI NO OWARIです。行きますよ！」という中島真一（G）の声を合図に、まるでこのステージの始まりを宣誓するかのような“ファンタジー”でライヴがスタート。レーザーがフィールドをきらびやかに照らし、LAKE STAGEの興奮はもう最高潮だ。ハンドマイクで歌いながら、深瀬慧（Vo＆G）はステージ中を動き、オーディエンスを煽る。
「まだまだ、元気ありますよね？ みんなの声をこっちまで飛ばしてください！」と中島が語ると、続くは“虹色の戦争”! 7色のライトに照らされて、LAKE STAGEが一気にポップかつカラフルに彩られていく。藤崎彩織（Piano）のピアノの幻想的な響きと、飛び交うレーザーが不思議なコントラストを描く“世界平和”で、フィールドはどっぷりとSEKAI NO OWARIの音世界に浸り込む。
「こんばんは。夜なので、“花鳥風月”という曲をやります」という深瀬の短いMCから演奏をスタートした“花鳥風月”では、LAKE STAGEに無数のシャボン玉が降り注がれ、ステージの幻想感がさらに深まっていく。
ピアノのイントロから大歓声が巻き起こったのは、彼らの代名詞とも言えるナンバー“幻の命”。SEKAI NO OWARIはドラムとベースのメンバーがいない、特異な編成のバンドだ。けれども、彼らのライヴにはビックリするほどのバンド感・躍動感が溢れていて、それがステージの幻想的な雰囲気にも結びついている。SEKAI NO OWARIのバンド感を牽引しているのは、ステージ左右へ駆け回りながら演奏する中島のギターであり、両手を上げてジャンプしながらオーディエンスを煽るLOVE(DJ)のパフォーマンスであり、やわらかな旋律をサウンドに加える藤崎のキーボードだ。それがオーディエンスに熱を運び、LAKE STAGEを埋め尽くしたオーディエンスはみな笑顔で歌い、ジャンプしている。
フィールド中が大合唱に包まれた“インスタントラジオ”で本編終了。アンコールで再び4人がステージに登場すると、「あと1曲だけやらせてもらいます。そして終わったら、BRAHMAN観に行きましょう！」（中島）、「BRAHMAN、好きだもんね」（藤崎）というやり取りから、ラストの“青い太陽”に突入。レーザーライトとシャボン玉が飛び交う中、SEKAI NO OWARIのポップなサウンドが輝く。スペシャルな3日間のフィナーレを、とびきりカラフルなファンタジーで彩ってくれた。（大山貴弘）