まずはDJ JINがスタンバイし、「ROCK IN JAPAN!」と叫ぶと、宇多丸(MC)とMummy‐D(MC)をステージに呼び込んだ。赤と黒、色違いのギンガムチェックのジャケットとハーフパンツ姿でキメたふたりは、スタイリッシュにオーディエンスを盛り上げていく。
「暑いね、これぞROCK IN JAPAN名物、“LAKE STAGE、夏”!」という宇多丸の言葉を合図に“フラッシュバック、夏。”へ。軽やかなライムで、みるみるうちにオーディエンスのハートの真ん中を射抜いていく。更に「ちょっと、ひと汗かきますかー?」と宇多丸が叫び、続けてMummy-Dも「あがってくぜー!」と煽り、“付和Ride On”。ビートに合わせて威勢よくハンドラップ&ジャンプが沸き起こる。まるでアトラクションのように彼らの曲を乗りこなしているオーディエンスは、さすが!
そして「ここROCK IN JAPANに、日本のヒップホップ代表として呼ばれてるからには、これぞ日本のヒップホップだ!というのをお見せしよう!」と始まった“ライムスターイズインザハウス”。DJ JINによる迫力のあるスクラッチと、息のあったステージングは、彼らのスキルとキャリアを物語る。ちょっぴりメロウな“POP LIFE”、メッセージを突き付けながら熱いパフォーマンスで大いに盛り上げた新曲の“The Choice Is Yours”など、盛りだくさんな内容だ。
「おっと時間です! 以前COUNT DOWN JAPANでちょっとやりすぎまして。こっぴどく叱られましたんでね!」と宇多丸が言うと「そんな叱られてないじゃん!」と笑いながらツッ込むMummy-D。「このフェスに出て、来年で10年くらいになりますけど、できればまた来年もLAKE STAGEに出たいぜ、こんにゃろう!」という宇多丸の嬉しい言葉と共にラストの“ONCE AGAIN”へ。最後の、Mummy-Dのボイスパーカッションと宇多丸のコールアンドレスポンスによる密なコミュニケーションも、今ここにいてくれてありがとう、というような彼らからの感謝の気持ちが感じられた。もう23年もの間、マイクを持ち続けている百戦錬磨の男たちの勇敢なヒップホップが、弱まることのない日差しの下で、強く輝いていた。(上野三樹)
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