

正午を回り、より一層暑さが増すWING TENTに登場したのは、ROCK IN JAPAN FES.初出演となるMERRY。大きな拍手と歓声に迎えられ現れるや、ガラ(Vo)がステージ中央に置かれた学校の机の上に飛び乗り、オーディエンスを沸かせる。「踊れ~!」という彼の声を合図に“不均衡キネマ”がスタートすると、WING TENTは一気に歓喜で染まる。机の上でステッキを振り回して熱唱するガラのド派手なパフォーマンスについつい目を奪われるが、重厚なサウンドを繰り出す4人の演奏も実に圧巻。ゴツゴツとしたラウドでハードコアな音ながら、なんともに人懐こさを感じさせるからサウンドも本当に心地良い。フロアには一気に熱狂が広がっていく。
真っ赤なシャツを脱ぎ捨てて“絶望”を熱唱すると、ガラは一旦ステージから去り、拡声器を片手に真っ黒なうさぎのマスクを被って再登場! 「ROCK IN JAPANにお集まりの皆様、元気ですかー!」とWING TENTに闘魂注入しつつ、“演説~シュールレアリズム~”に突入すると、オーディエンスは右手を掲げて応える。WING TENTに広がる妙な一体感。オーディエンスの心を完全に手の中に収めてしまうと、後はMERRYの独壇場だ。“[human farm]”では大ハンドクラップが巻き起こり、“ジャパニーズモダニスト”ではヘッドバンギングまで生まれる。どこまでも異型の美学を貫くようなアグレッシヴなパフォーマンスながら、オーディエンスをぐんぐん笑顔に導いていった。
最後に“群青”を演奏すると、ガラはなぜかステージ上で縄跳びをはじめ、さらに机の上に逆立ちするという体を張ったパフォーマンスを披露。最高のエンターテナーっぷりを全力で発揮してくれたMERRYのステージ。初出演ながらROCK IN JAPAN FES.にしっかりと愛された一時だった。(大山貴弘)

