サングラス越しにフィールドを見渡し笑顔を見せるホリエアツシ。そしてーー4人の気合い一閃、GRASS STAGEに集まったオーディエンスの魂を研ぎ澄ますように響き渡る“VANISH”のロック・アンサンブル! 7月まではアコースティック・ツアーを回ってその楽曲の豊潤さを別角度からアピールしてきたストレイテナーだが、改めて触れるエレクトリック・サウンド越しの彼らの世界のダイナミズムと鋭利さは、数万人の全神経を一気に極限覚醒させていくほどの鮮烈さに満ちている。「ひたちなかのバーサーカーに捧ぐ!」というナカヤマシンペイの絶叫から雪崩れ込んだ“BERSERKER TUNE”の、目も眩むほどの爆走感&加速感!……炎天のエネルギーすら胸いっぱいに吸い込んで高純度の音の粒子として鳴り響かせていくような、ストレイテナーの強靭なサウンドスケープ。“ETERNAL”で熱気あふれるGRASS STAGEの風景をコードとリズムの銀河に塗り替え、そのまま“PLAY THE STAR GUITAR”“TRAIN”と勢いよく疾走していく頃には、広大なフィールドは轟々と吹き荒れるような高揚感で満たされている。
ホリエが奏でる清冽なピアノの調べが、爽やかな風とともにどこまでも広がっていった“イノセント”。日向秀和の静謐なベースの音色が凛とした音世界への扉を開く“シンクロ”。“A LONG WAY TO NOWHERE”でギラギラと乱反射し合いながらロックという名の神秘を体現していく大山純&ホリエのギター……ひたすら己の音を真摯に研ぎ澄ませることで、壮大なスケールの進化を実現してきたストレイテナーの「今」が、この上ない充実感とともに響き渡っている。最高だ。「今年もここに来れて、みんなの顔が見れて嬉しいです。来年、デビューして10周年を迎えるんですけど、それに向けて面白いことを考えてるんで、よろしくお願いします!」とホリエ。“羊の群れは丘を登る”で熱く燃え上がったオーディエンスの衝動が、パワー・アンセム“Melodic Storm”で大爆発! 最後は“KILLER TUNE [Natural Born Killer Tune Mix]”でGRASS STAGEを揺らしまくって終了! すべての音が止み、肩を組んで深々と頭を下げる4人に、惜しみない拍手と歓声が降り注いだ。(高橋智樹)
ストレイテナー のROCK IN JAPAN FESTIVALクイックレポートアーカイブ