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陽が傾き始め、吹き抜ける熱風に涼しさが混じり始めた時間帯のSEASIDE STAGEにはApplicat Spectraが登場! 清冽でタイトなギター・ロック・サウンドとエレクトロの接点から目映いばかりの歓喜のシャワーを振り撒いていく4人のアンサンブル。そして、祈りと希望を高純度結晶させたようなナカノシンイチ(B・Vo・SamplingPad)のドリーミンなハイトーン・ヴォーカル。4月にリリースしたアルバム『スペクタクル オーケストラ』収録の“神様のすみか”のキラキラのサウンドも、アコギの響きと浮遊感あふれるシンセの音色とともに銀河の果てへかっ飛んでいくような“アルペジオ”の疾走感も、その1つ1つがクリスタルのような透明感と輝度に満ちたものだ。
「はじめましてApplicat Spectraです! こんなに暑いのに集まってくれてありがとう!」とイシカワケンスケ(G・Syn)がオーディエンスに呼びかけたところで、“クロックワイズ”へ。精緻なリズムと電子音の向こう側に広がる無限のイマジネーションを、カラフルながら驚くほどシンプルな4人のバンド・アンサンブルとして焼きつけた名曲だ。続くソリッドな16ビート・ナンバー“イロドリの種”ではイシカワ&ナカオソウのクリアなWギターが描くタペストリーが、SEASIDE STAGEの熱気を心地好くかき混ぜながら広がっていく。「ありがとう! そうやってみんなが楽しそうにしてると、音楽やっててよかったなって思います!」というナカノの言葉とともに突入したラスト・ナンバーは“セントエルモ”。ひときわダイナミックに鳴り響くナルハシタイチのドラムが、ロックとエレクトロの「その先」の世界へと聴く者すべてを力強く導き、一点の曇りもない純白な歌とサウンドが「今、ここ」を至高の楽園へと塗り替えていく……「ありがとう!」とステージを去っていく4人に、観客からも次々に「ありがとう!」の声が飛んでいた。(高橋智樹)