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白いレスポールを掲げ、大きく腕を広げてみせた金井政人(Vo&G)をはじめ、BIGMAMAの5人が渾身の力で放つ“beautiful lie, beautiful smile”のアンサンブルが、荘厳なまでのダイナミズムで瞬時にLAKE STAGEを支配する! 「LAKE STAGEにお集まりのみなさん、BIGMAMAです! よろしくね!」という金井のコールに導かれて、東出真緒のヴァイオリンと柿沼広也のギターのユニゾンで叩き出された黄金のフレーズは“荒狂曲"シンセカイ"”! リアド偉武(Dr)と安井英人(B)のパワフルなビートを全身で浴びながら、金井がエモーショナルな歌でLAKE STAGEを揺さぶり、東出が鮮やかにヴァイオリンの弓を振り上げ、オーディエンスの想いをさらに熱く高く煽っていく。メロコア/エモ/ヘヴィ・ロック/クラシックといったジャンルの垣根を軽やかに超越しながら、唯一無二の音楽世界を築いているBIGMAMA。そんな5人のアグレッシヴな音楽的探究心に満ちた音が、真夏の太陽と爽快な風と一緒になって、この上ない開放感とともに身体を包み込んでくる。

9月12日発売のシングル『風船夫婦の俯瞰show』収録の“Mr. & Mrs. Balloon”の清冽なサウンドを高らかに響かせた後、「いつかこのステージに立てたらやりたいと思ってた曲がたくさんありすぎるんで」という金井の言葉通り、“the cookie crumbles”からスタートして“Paper-craft”“ダイヤモンドリング”“CPX”“走れエロス”“かくれんぼ”を経て再び“the cookie crumbles”へ、という最強メドレーへ!  さらに“I Don't Need a Time Machine”“秘密”でオーディエンスの情熱を片っ端から燃え上がらせた後、「今日いちばんの声を聞かせてください!」という金井の呼びかけとともに、ラスト・ナンバー“until the blouse is buttoned up”のシンガロングが空を貫く勢いで響き渡る……どこまでも熱く美しい風景がここにはあった。

「毎年、ここのステージからの眺めが大好きです! でも、大好きだから知ってんだ! もう1個、向こうにでっかいのがあるんでしょ? 何年かかっても、あそこに辿り着いてみせます!」と、GRASS STAGEの方向を指しながら金井は話していた。不屈の闘争心、尽きることないアイデアとイマジネーション……ロックの未来を担うバンドとしての資格を自ら実証していった、最高のステージだった。(高橋智樹)