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内山ショート（G・Vo）の心の奥を吐き出すような本音をしたためた歌詞と、4人の鳴らす荒々しくも瑞々しい演奏ががっぷり四つで向き合った音楽は、どんなものが襲い掛かっても壊れることはなく前へ前へと突き進んでいく。そう確信させるほどの強度が隅々までほとばしる。これまでにリリースされた代表曲を含む1stフルアルバムは、セルフタイトルに相応しい初期衝動と脂の乗った進化を封じ込めた快作だ。音楽性の振れ幅が広いことも彼らの元来の持ち味だが、特に新曲ではその腕が磨かれていることを噛み締める。“パンザマスト”のひずんだギターが刻むコードワークは切迫感のある詞世界をよりブライトかつ感傷的に表現し、リフレインや緩急のあるアレンジでリズムを作る“SHE”では独り言のようなボーカルが小気味よい。エモーショナルなダイナミズムだけでなく、自身のルーツをサンプリング的に取り入れるユーモラスなミクスチャーセンスとクレバーなバランス感覚も併せ持つ。今作で4人の追い風を感じてほしい。（沖さやこ）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年1月号より抜粋）
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