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日々って一瞬の連続だよねってことを全体で伝えるようなバンドアンサンブル。ギター、ベース、ドラムそれぞれの質感は直接的かつ無骨ですらありながら、それらが絡み合った時に生まれる浮遊感は、隣にいる人と何気ない雑談をすることすら怯えさせるこの世界で、それでも「重なるって透明なんだよ」と伝えているよう。そして何より、3ピースのミニマリズムにこだわり続けてきたバンドが加えた鍵盤の、幸福な響き。淡々と、着実に、おいしくるメロンパンが新たなゾーンに足を踏み入れていることを感じさせる楽曲だ。優等生風とギャル風という真逆のルックスをしたふたりの少女がフードコートで一緒の時間を過ごすアニメ『フードコートで、また明日。』のオープニングテーマなところも最高。未来も世界も他人もわからないことばかりだけど、誰にも奪えないものや、お守りみたいなものは、確かにあなたの中にあるよ。僕はこの曲を聴いてそんなことを感じた。「いい思い出いっぱい作ろうぜ」って、そんなことを思った。(天野史彬)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年8月号より)
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