2025年2月には代々木競技場 第二体育館でのライブを成功させ、着実にライブ規模を拡大しながら、人気を広げている。そして9月7日には幕張イベントホールでの単独ライブを行うことが発表され、現在、そこに向けて4月から5ヶ月連続の新曲リリースを行なっているところだ。この連続リリースは、曲ごとに高嶺のなでしこの多彩な魅力を表現するものだが、実際にたかねこの魅力とはどんなところにあるのか。今回は、橋本桃呼、葉月紗蘭、東山恵里沙の3人に話を聞きながら、その魅力の本質に迫りたい。
インタビュー=杉浦美恵
──皆さんは、高嶺のなでしこの魅力を語るとしたら、まずはどんなところをアピールしますか?かわいい楽曲、かっこいい楽曲、いろんな楽曲があるけど、いろんな世界観を表現できるのがいちばんの魅力なのかな(東山)
橋本桃呼 高嶺のなでしこは、HoneyWorksさんがサウンドプロデュースをしてくださっていて、まずはそのサウンドが魅力だと感じていただけると思っています。すでにバズっているHoneyWorksさんの楽曲(“可愛くてごめん”)を公式としてカバーさせてもらったり、青春感あふれる曲を歌えているのが強みですね。10人それぞれのルックスや声の質、性格も十人十色で、みんな違ったかわいさやかっこよさがあると思うので、そういうところにも注目してほしいです。
葉月紗蘭 個性はバラバラなんですけど、ライブではフォーメーションダンスがすごくきれいだったり、10人の声が重なったときの歌にすごくまとまりがあったり、個人と全体のギャップを楽しんでいただけるグループかなと思っています。
東山恵里沙 高嶺のなでしこには、かわいい楽曲、かっこいい楽曲、いろんな楽曲があるんですけど、いろんな世界観を表現できるのがいちばんの魅力なのかなと思います。ライブはもちろん、YouTubeを観ていただくだけでも、それが伝わるんじゃないかと。
──皆さんはこのグループでの活動を始める前、HoneyWorksの楽曲をどのように聴いていましたか?
橋本 中学時代にHoneyWorksさんの楽曲をすごくよく聴いていて、その頃、“金曜日のおはよう”という楽曲がめちゃめちゃ流行っていたんです。「踊ってみた」も盛り上がっていた頃で、地元の公園で友達とふたりで夜まで踊っていたんですよね。だからいまだにHoneyWorksさんのサウンドプロデュースでアイドル活動ができているのが信じられないというか。一緒に踊っていた友達も驚いていました(笑)。ほんとにすごい方にプロデュースしていただいているなと思っています。
葉月 私は漫画やアニメを観るのが好きなんですけど、『銀魂』のオープニング曲の“プライド革命”(CHiCO with HoneyWorks)がすごく好きだったんです。HoneyWorksさんの曲とは知らずに聴いていたんですけど、気がつけば身近なところで触れていた曲がHoneyWorksさんの楽曲だったということがよくあって。身のまわりにずっとあった音楽を今、自分が表現できているというのが嬉しいです。
東山 アイドルを目指してオーディションを受けていた時期にHoneyWorksさんの曲を聴いて勇気づけられたことがとても多くて。“可愛くなりたい”(CHiCO with HoneyWorks)という楽曲の、かわいくなるために一生懸命努力するという乙女心を表した歌詞がすごく好きなんですけど、聴きながら慣れないメイクも頑張ったりして、励みになっていました。
──結成から3年、高嶺のなでしこはどんなふうに進化、成長してきたと思いますか?“革命の女王”で、今まで否定され続けてきた私の歌唱のクセが採用されたのがすごく嬉しかった(橋本)
橋本 最初はアイドルというものへの価値観や思い、パフォーマンスへの向き合い方とかがメンバーの中でちょっとずつズレていて、ぎこちない部分もあったんですよね。でも、遠征先では同じホテルだし、そうやって一緒に過ごす時間を重ねていくうちに、ほんとに仲のいいグループになっていったのがパフォーマンスにも表れていると思います。昔はパフォーマンス中にメンバーと目が合っても、どこか愛想笑いみたいな感じだったんですけど、今は自然にふざけ合える関係性になっていて、それってすごい成長だなあって。
葉月 ほかのメンバーがすごいので、自分は「ここが成長したな」とはあまり思えないんですけど……最初にHoneyWorksさんに歌声を褒めてもらえたことはすごく嬉しくて、そこを強みとして活かしていきたいと思って頑張ってきました。でも、ステージ上で自分の声がうまくマイクに乗らなかったりするのがコンプレックスで、このままじゃダメだと思って、自分らしくない歌い方で試行錯誤した時期がありました。HoneyWorksさんから「自分のやり方で」と言っていただいたりして、最近元に戻したんですけど、その試行錯誤の期間に得たものもたくさんあって、別の歌い方も元の歌い方に重ねて活用できる部分もあるし、その回り道を糧にできたのがよかったなって。自分でも、前より少し声に厚みが増したと思います。
橋本 “革命の女王”で、仮歌を聴いた段階で「ここ、歌いたい!」と思ったところが自分の歌割りになったんです。私は歌声で悩んできたタイプで、ラストアイドル時代も歌声に対して厳しい意見をいただくことがあって、歌うことが怖くなった時期もあって。声が野太いというか、クセが強いと言われることが多くて、コンプレックスだったんですよね。「しゃくり」を自然に入れてしまうタイプなんですけど、そこがクセが強い部分でもあって。でも、“革命の女王”では、HoneyWorksさんが「その歌い方、めっちゃいいからそれでやってほしい」と言ってくださって。今まで否定され続けてきた私の歌唱のクセが採用されたのがすごく嬉しかったし、自信にもなって、ライブでも“決戦スピリット”のような曲でかっこいい面をどんどん出せるようになっていきました。