青春ロックを追い続けるカネヨリマサルが、この夏に届けてくれたラブソング“嫌いになっちゃうよ”は、嫌いな景色や匂いが増えてしまわないように、君との恋が叶うことを願う曲。
ちとせみな(Vo・G)が書く歌詞が多くのリスナーの共感を集めるのはなぜか。それは恋をしてちょっと強がったりいじわるな気持ちになったりする心の揺れ動きすら、包み隠さずに等身大で表現しているからだろう。
《私以外との恋が/叶いませんように/最低なお願い》──こんな言葉を口にする人はいないかもしれないけど、言わないだけで、実はみんなが思っていること。その本音をできる限り掬い上げようとするのがカネヨリマサルのラブソングだ。
《君が他の人のものになったら/花火も嬉しく見れない》
この夏の景色が悲しいものになりませんように。カネヨリマサルはいつでも恋する人の味方で居続けるバンドなのだと改めて実感した。(有本早季)
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